私はオーディオを趣味にするなら、ぜひスピーカーを使って、音を聴いて欲しいと呼び掛けています。
しかし近年日本では、マンションなど集合住宅に住む人が増え、気軽にスピーカーを鳴らせない環境があることも理解しています。
そのような場合に重宝するのが、ヘッドホンやイヤホンと言うことになるでしょう。
これらを使うことで、大きな音量で聴いても隣近所から苦情が入らないので、気軽に音楽を楽しめますからね。
ただもしこれらを使用すれば、ヘッドホンでは耳が痛くなったりして、長時間耐えることができません。
その点イヤホンなら、軽くて圧迫感が少ないことで使いやすいです。
それでも、顔や首に絡むケーブルはうっとうしいので、どうせ使うならワイヤレスイヤホンと言うことになるでしょう。
しかも装着時に違和感の少ない、耳かけ式のモデルがグッドだと、近頃では人気になっています。
そんな勢いの中でSOUNDPEATSから、新しいモデル「GoFree2」が登場しました。
付け心地重視のオープンイヤータイプとなる、耳かけ式ワイヤレスイヤホンでありながら、LDAC対応でハイレゾ音源を再生可能な、高音質モデルとなっているんです。
今回このGoFree2を手に入れたので、実際の音質や機能を検証し、レビュー/評価してみることにしましょう。
SOUNDPEATS GoFree2のデザイン
GoFree2は先に述べた通り、耳かけ式のワイヤレスイヤホン。
オープンイヤータイプとなることで、ユニットを耳の穴へは入れません。
パッケージ(外箱)そのものは、小さくコンパクト。
でも箱を開けてみると、本体ケースが意外に大きいことに驚きました。
私は同社のAir3 Deluxe HSも持っていますが、これのケースと比べると2倍ほど大きい。
ただAir3 Deluxe HSは、ワイヤレスイヤホンでもユニットを耳の中に入れる、ボディの小さいインナーイヤータイプです。
SOUNDPEATS Air3 Deluxe HS
対して本機は、耳掛けがあるしユニットも少し大きいので、ケースも大きくなってしまうのでしょうね。
サイズそのものは大きめでも、本体1個当たりの重さは9gしかありませんから、装着しても全然耳に負担を掛けることはありません。
掛け心地にも全く不快感はなく、付けていることを忘れそうです。
ただし、初めて装着した時は要領が分からず、なかなかフィットさせることができませんでした。
何回か掛けているうちに、耳の真上から装着するのではなく、斜め前方から滑らせるようにすると、すんなり固定できるのに気が付きました。
今は慣れたせいで、サッと装着することができます。
さて、本体のユニット部分が大きいのはダテではなく、イヤホンとしては大型の、16.2㎜ドライバーを搭載しているため。
ラムダ型音響空間2.0も加え、エネルギッシュな低音再生を目指したんだそうです。
耳掛け部分の先端にあるのは、スマホの電話が鳴った時や、PCでリモート会議を行う時に使うマイク。
これを片方に2個ずつ配置して、音声を確実に捉える工夫をしています。
本体全体を柔らかいシリコン樹脂で包み、耳への感触は柔軟で非常に快適です。
本機の操作はスマホやPC側で行えるほか、本体外側のSOUNDPEATSロゴの部分をタップします。
ケースも含め、本体は全体的にシリコン樹脂で覆われ滑りにくく、高級感ある仕上げになっていると言えるでしょう。
SOUNDPEATS GoFree2の特徴
GoFree2の特徴は、すでに述べたようにユニットを耳で塞がない、オープンイヤータイプを採用していることにあります。
圧迫感がなく開放的なので、長時間の使用でも耳が痛くなりにくいですね。
そして、16.2mmのダイナミックドライバー(つまり振動板)と、ラムダ型音響空間2.0(バスレフのような機能)で、低音の量感を高めた設計になっています。
さらにオープンイヤータイプでありながら、LDACコーデックに対応したことで、ハイレゾ音源も再生できるんです。
またENC通話ノイズリダクション機能も採用し、開放的な装着感が味わえる一方で、邪魔な周囲の雑音を抑えてくれますよ。
それからBluetoothは、マルチポイントの接続を可能にしています。
例えばスマホと接続して音楽を聴きながら、もう1つPCと接続して、リモートが入ったら耳元でタップして音楽を止め、リモート会話に集中することができるんです。
スマホで音楽を聴いている時に、電話が鳴ったら音楽を止め、通話操作をすることがあると思いますが、同じようなことを、別々の機器で行えると言うことですね。
これは在宅勤務が多いユーザーには、とても便利な機能だと思います。
充電はケースのUSB-C端子に接続して行う仕様で、2時間ほどの充電により、35時間分本機を稼動させられる仕組みです。
本機単体では、9時間ほど音楽を楽しめます。
そのためには音楽を聴き終わったら、必ずケースに収納するようにしないといけません。
私は本機が到着した際、すぐに取説通りに2時間ほど充電しました。
ところが30分間ほど音楽を聴いていたら、”battery low” と言うアナウンスが聞こえて来たんですね。
わずか30分で充電切れはおかしいと思い、取説を読み直してみると、大きなミスを発見。
取説には “初めに本体内側にあるシールを剥がすこと” と書いてあったんです。
これは、ケースから本体に充電をさせない絶縁シールで、これを剥がさないと本体が稼動できないのでした。
もしあなたが本機を購入したら、必ずシールを剥がすことを忘れないように。(^^;
SOUNDPEATS GoFree2を実際に聴いてみた
では実際にGoFree2を聴いてみることにしましょう。
まずはWindows10 PCで、私の好きなネットラジオを聴いてみました。
コーデックは不明ですが、音質は全域に渡りクリアです。
重低音はちょっと望めませんが、低音と高音のバランスは悪くなくドンシャリでもないので、聴きやすい音と言えます。
SOUNDPEATS RunFree
本機のドライバーは、同社のRunFreeと同じダイナミックドライバーと、ラムダ型音響空間を使っています。
このRunFreeと比較すると、低音の量感は同等ながら、GoFree2の方が明らかに高音の伸びとクリアさが上。
同じドライバーを使っていても、GoFree2の方はLDACに対応しているだけあり、高音質なのは確かですね。
次に本機をiPhoneで、同じネットラジオを音源にして聴いてみました。
こちらではSOUNDPEATSのアプリを使うことができ、アプリにある10連イコライザーを通して聴くことができます。
イコライザーでスライダーを動かすと、迫力あるサウンドに変身。
Windows PCより重低音を出せるし、さらに高音も伸びやかになって、とてもゴキゲンになります。
イコライザーを使ってもドンシャリな音にならず、長時間聴いても疲れないところが、高ポイントになるでしょう。
さらにもう1つ、アプリを通した状態で、Air3 Deluxe HSとの比較をしてみました。
すると、Air3 Deluxe HSの方がより低音がしっかりして、高音も立体感が増した音に聞こえることが分かりました。
こちらは14.2㎜ドライバーで、本機より振動板が小さいのに、これはどうしたことなのか考えましたが、どうやら本体デザインの違いに起因することのようです。
Air3 Deluxe HSはドライバーを耳に入れる、インナーイヤータイプです。
より振動板が鼓膜に近いことで、さらに高音質に聞こえるのでしょう。
単純に言えば、GoFree2よりAir3 Deluxe HSの方が音が良いとは言え、インナーイヤータイプは耳を塞ぐことで、圧迫感はあるし野外で使うと汗で蒸れやすいです。
GoFree2はそれなりに音漏れはするので、電車の中で使用するには少し注意が必要ですが、オープンイヤータイプなので開放感があり、装着感はとても2自然。
なので、長時間使うことが多いユーザーなら、多少音質が劣ってもGoFree2を使った方が、愛着が持てるかも知れません。
しかもケース込みでのバッテリー駆動時間が、AIR3 Deluxe HSは20時間なのに対し、GoFree2は35時間とずっと長いです。
野外での使用時間が長いユーザーなら、GoFree2を選ぶのが賢明と言えるでしょう。
今回は残念ながら、ハイレゾ音源を聴くことはできませんでしたが、それでもPCで聴くにしてもアプリを通して聴くにしても、十分高音質であることは間違いありません。
SOUNDPEATS GoFree2の評価
以上のようにGoFree2は、ワイヤレスイヤホンとしてメリットの多いことが、今回使ってみて分かりました。
デメリットに付いては、特に気になるところはありませんでしたが、強いて言えば、耳掛け型は慣れるまで装着に戸惑うことでしょうか。
ただしあくまで慣れの問題なので、毎日使っていれば、サッと取り付けられるようになるでしょう。
あと、電話通話時に本機のマイクを使うと、少しリアルに欠けた音になってしまいます。
こもって不明瞭な訳ではありませんが、スマホの内蔵マイクより音質は劣りますね。
とは言っても本機の価格は、1万円を優に下回る安さ。
イヤホンとしての機能や音質が、際立って良いことを考えれば、コストパフォーマンスはとても高いと言えるでしょう。
単に音質だけを求めるのなら、より価格の高い、カナル型ワイヤレスイヤホンを選んだ方が後悔がないと思います。
長時間使用でも聴き疲れしないもので、なおかつ少しでも高音質を求めるなら、自然な装着感で聴き疲れしにくい、このGoFree2を選ぶのもアリでしょう。
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