オーディオアンプの「出力(ワット数)」とは何?大きいほど音質が良いの?

 

オーディオ製品のスペックを見ると、
例えばアンプは、「最大出力50W + 50W(8Ω)」
などとW(ワット)で書かれているのを目にすると思います。

オーディオを趣味で始めようとしている初心者の方には、
「出力」の意味やこれらがどう音質に影響するのか、
なかなか理解できないことでしょう。

 

このページでは、そんな
オーディオアンプの「出力」に付いて、
分かりやすくお話ししたいと思います。




 

出力やワット(W)数の意味が分からない

 

 

アンプの出力は、ワット(W)と表示し
その性能の高さを示すひとつの目安です。

クルマで言えば、何PS(馬力)の
パワーがあるかで性能を測るのと同じ。

 

ワット数が大きければ、それだけ余裕を持って
大きな音量が出せると言うことですね。

アンプの取説に載っているスペック表には、
「消費電力〇〇W」との表示もありますが、
これは出力のWとは違うものです。

 

ただし、出力ワット数が大きいほど電気も食うので、
消費電力のワット数も大きいのが普通です。

クルマでも、排気量の大きな高出力車は、
ガソリンの消費量も多いのと同じと考えて下さい。

 

アンプの出力ワット数が大きいほど高音質?

 

 

これは、先にハッキリ申し上げておきましょう。

「ワット数が大きい=高音質」とは限りません。

 

一般に高価格になるほどワット数が大きくなる傾向に
ありますが、直接、音質に結び付くものではないのです。

低価格のアンプより高価格のアンプの方が音が良いと言われる
ゆえんは、ワット数が大きいからではなく、回路を構成する
部品に高性能で高品質なものを使用しているからです。

 

高価格モデルの方が低価格モデルより出力が高くなるのは、
より音の出かたに余裕を持たせるためと、消費者に高性能を
アピールするためのメーカーのイメージ戦略なんですね。

仮に、100W + 100Wのアンプを使って
自宅で鳴らしていたものを、50W + 50Wのアンプに代えても、
瞬間にはその違いに気付かないかも知れませんよ。

 

そもそも、自宅で結構大きな音で鳴らしても、
実は1W +1Wほどしか出力していないからです。

 

もちろん、ボリュームを目一杯回して鳴らしてしまえば
低出力のアンプの方が歪んで聴こえるでしょうが、

実際には非現実なことですし、それよりも
過大入力でスピーカーが破損してしまう危険があります。

 

単純に出力が大きいことのメリットは、
家庭での使用に限れば、音の鳴り方に余裕があって
ゆったり感が違う程度のことと解釈して下さい。

 

自宅で鳴らすために必要なワット(W)数とは?

 

 

ズバリ申し上げますと、
自宅で鳴らすアンプは10W +10Wもあれば十分です。

前述のように、自宅で結構大きな音量で鳴らしたとしても、
せいぜい1W +1Wほどしか出力されないからなんです。

 

デジタルアンプが普及した現代に、
昔ながらの真空管を使用したアンプで、
その柔らかい音色が評判の機種があります。

 

例えば【Sound fort QS-9】は、わずか
12W + 12W(8Ω時)の出力となっています。

でも、ウーファーが20㎝程度のスピーカーくらいなら、
全くパワーに問題なく音量不足になることはありません。

 

ちなみに、アンプの出力表示に付いて、
「12W + 12W(8Ω)」とか「24W + 24W(4Ω)」と、
「Ω(オーム)」の単位が入る場合があります。

これは、使用するスピーカーの
「インピーダンス(電気抵抗)」を表しているもの。

 

現代の多くのスピーカーは、
8Ω~4Ωで設計されています。

Ω(オーム)値が小さいほど効率良く鳴らせるので、
それに伴いアンプの出力も大きくなります。

 

入力ワット数が大きいスピーカーほど音が良い?

 

 

ここで、お話をアンプから
スピーカーへ移すことにしましょう。

スピーカーの背面を見ると
「最大入力100W インピーダンス8Ω」
などの表示を見ると思います。

 

インピーダンスとは、前述のように
アンプとスピーカーに流れる電流の間に、

電力を制限するための抵抗値を示したものです。

 

つまり、

「このスピーカーはインピーダンスが8Ωで、
最大100Wまでのアンプからの入力に耐えますよ」

と言う意味を表しています。

 

ですから、それ以上の入力があれば、このスピーカーは
破損してしまう可能性がある訳ですね。

とは言え、現実に100W超の入力は家庭ではあり得えず、
1chあたり、最大出力150Wのアンプと最大入力100Wの
スピーカーの組み合わせは “アリ” なんです。

 

そしてアンプと同様、最大入力が大きいほど
必ずしも音質が良いとは限りません。

なお、先述のように、インピーダンスが小さいほど
アンプの出力を稼げることから、最近のスピーカーは、
8Ωより、6Ωや4Ω仕様の製品が多くなってきています。

 

また、最大入力ではなく、「最大出力10W」などと
表示されているスピーカーを見たことはありませんか?

このスピーカーは、本体の中にアンプを内蔵した
「アクティブスピーカー」と呼ばれている製品です。

 

アンプを内蔵していることで、ウォークマンなどの
デジタルプレーヤーやスマホなどとアンプを使わず、
直接つなぐことができるスピーカーと言うことですね。




まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

アンプにでもスピーカーでも、「ワット(W)数」だけで
それぞれの性能の高さの目安にしてしまいがちですが、

これが音質の良さに直接結びつくものではないことを
お分かりいただけたことでしょう。

 

オーディオコンポを選ぶ場合、アンプとスピーカーに関しては、
ワット数ばかりを追うのではなく、実際の音色や機能の方にも
目を向けるようにして下さいね。

 

 

 

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2件のコメント

  • 佐藤信男

    説明ありがとうございました。もう一つこの説明の延長先で質問させて下さい。アクティブサブウーファースピーカーのAuto power on の機能をさせたく、AVアンプの電源がオンに成ったらサブウーファーもオンに成る様にしたいです。AVアンプの電源回路の二次側(スイッチがオンに成ったら100V出力)から電源ケーブルで引き出してサブウーファー電源にしようと思います。同期電源として問題はありますでしょうか。勿論両方併せても最大ワット数は使わ無いです。個人の責任で実施です。

    • オーディオ情報屋

      佐藤信男様、コメントありがとうございました。
      この件に関しましては、結論として私には分かりません。
      私が使用しているアンプにはアンプの電源が入ると同時に他の機器にも電源が入る、アウトレット端子が付いています。
      これを利用することで、アンプの電源をONにすると同時にサブウーファーの電源もONになるようにしています。
      近頃のアンプにはAVアンプも含め、アウトレット端子がないものが多いですよね。
      なのでサブウーファー側の対策として、基本的に電源を入れっぱなしにしてアイドリング状態にしておき、音声信号がサブウーファーに入った時に完全に動くシステムになっているモデルが増えて来ています。
      この機能がないサブウーファーは、手動で電源を入れるしかないのが基本です。
      自らの手で同期電源が入るしくみを作るのは、あくまで自己責任と言うことで、私としてはあまりおすすめはできませんがいかがでしょうか?
      よろしくお願いいたします。

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