小型オーディオスピーカーで量感ある低音を再生するしくみとは?

 

小さいのに低音がズシンと響くブックシェルフスピーカー。
「小型スピーカーなのに、なぜこんなに低音が出るの?」と思った経験、あなたはありませんか?

昔なら「スピーカーは大きくないと低音は出ない」とされていましたが、最近のオーディオスピーカーは、小型なのに意外なほど深みのある低音が出るモデルがあるんです。
しかも特別高価ではない、比較的リーズナブルな価格で、それが楽しめると言うのが気になります。

そんな訳で今回は、小型スピーカーで量感のある低音を再生できる5つのしくみを、音響設計やデジタル技術の面から詳しくお話してみましょう。
スピーカー選びに悩んでいる方、自作やオーディオ知識を深めたい方は必見です。




 

小型スピーカーには低音再生の物理的限界がある

 

 

まず理解しておきたいのは、低音再生には物理的な限界があるということ。
低音は波長が長いので、大きな振動とそれに伴った空気の移動が必要です。
なので、一般的にスピーカーの口径は大きいほど低音が出しやすくなります。

 

 

また、キャビネットの容積も重要な要素です。
つまり、容積の少ない小型スピーカーはどうしても低音が出にくく、物理的には不利な条件にあります。
それを解決したのは、スピーカーユニットの後ろから出る音圧を、低音エネルギーに利用したバスレフポートやパッシブラジエーター

また最近のモデルは、それまでになかった新しい技術によっても、その壁を乗り越えているんですね。
それらの方法をいくつかご紹介しましょう。

 

パッシブラジエーター方式の仕組みとメリット

 

参照:サンワサプライ

近年の小型スピーカーでは、パッシブラジエーター方式が多く採用されています。
パッシブラジエーターとは、スピーカーユニットとは別に、空気圧で動くダミーの振動板のことで、別名ドロンコーンとも呼びます。

パッシブラジエーター自身は音を出さず、内部の圧力で動き低音域を増幅。
空気の圧縮・膨張を利用した、省スペースな低音ブースト機構なんです。

そのメリットは、バスレフポートよりも密閉感とレスポンスが良好なことにあります。
小型のキャビネットでも迫力ある中低音が得られ、また省スペース設計に最適で、Bluetoothスピーカーにも多く採用されているんです。

セレッション DITTON15

かく言う私も以前,、パッシブラジエーターを使ったスピーカーシステム、イギリスのメーカーセレッション DITTON15を愛用していました。
このモデルは密閉型と比べ、多少低音が軽い傾向にありましたが、大きさの割にたっぷりとした量感を味わうことができましたよ。

 

DSP(デジタル信号処理)による音質チューニング

 

 

次に注目すべきは、DSP(Digital Signal Processing)と言う技術です。
DSPの役割は、スピーカーの物理的限界を電気的に補うソフトウェアアプローチ。
再生信号を解析・調整して、聴感上の低音感を演出します。

そして過大入力や歪みを防ぎながら、スピーカーのパフォーマンスを最大化させます。
良くあるDSP処理の例として、バスブーストEQ(イコライザー)で低音の存在感を出し、不要な超低域をカットして歪みを軽減するものがあります。

また、定位・疑似ステレオ効果による臨場感も強化します。
特にアンプを内蔵した、超小型のBluetoothスピーカーやスマートスピーカーでは、DSPは必須の技術ですね。

 

振動板・マグネットの素材進化も低音を支えている

 

参照:共立プロダクツ

小型スピーカーのハードウェア技術の進化も見逃せません。
アルミ・カーボン・マイラーなど、軽くて強い軽量・高剛性素材を採用するようになっています。
これらは繊細な音まで再現可能とし、低音の再現性も同時に向上させました。

 

 

特に高性能マグネット(ネオジム磁石など)の採用は、コンパクトでも高磁力で効率的な駆動ができるんです。
ネオジム磁石は、小型で強力でありながら、価格が安いと言うメリットもあります。

実際に、100円ショップで見た人も多いのではないでしょうか?
安くてパワーもあることで、小型のスピーカーに採用しやすいと言うのは素晴らしいことだと思います。

また応答性の高いドライバーの開発によって、タイトな低音再生も可能にしています。
このように素材の進化のおかげもあり、昔の小型スピーカーにはなかった「芯のある音」が出せるようになった訳です。

 

音響設計と設置による低音補強テクニック

 

 

次に、小型スピーカーで低音を強調する設計上の工夫や、設置場所の影響について述べましょう。
キャビネット(エンクロージャー)の音響迷路・内部構造の最適化をすることで、音の通り道をコントロールすることができます。
これで小さなキャビネットでも、広がりのある音場と低音が実現可能になりました。

 

参照:久米田工房株式会社

 

また設置場所の工夫で、低音を補強することも可能に。
壁際やコーナーに置くことで反射を活用し、低音を増強できるんです。

スピーカーの底面から音を放射させ、床との共鳴を利用する設計方法もあります。
購入後の使い方次第で、さらに音質を引き上げられるのもオーディオの魅力ですね。

 

まとめ:技術の進化が“小型=非力”を覆した

 

 

現在は、小型スピーカーであっても、量感ある低音を再生できる時代になりました。
その背景には、以下のような複数の要素が複雑に絡み合っています。

パッシブラジエーターや高効率ドライバーの採用
DSPによる音質最適化
音響設計の工夫と設置テクニック

「スピーカーが小さいから低音は期待できない」という常識は、すでに過去のもの。
最新技術が詰まった小型スピーカーは、リビングだけでなく、PC用・TV用・アウトドア用にも最適です。

その中で、私が関心を寄せているメーカーがSOUNDWARRIOR
長野県に本社がある、れっきとした日本のオーディオメーカーです。

 

 

このSOUNDWARRIORでは、SW-SP1と言うモデルが面白いと感じています。
ウーファーはわずか10㎝と小型ながら、背面に大きなパッシブラジエーターを配置して、大らかな低音を再生可能にした2ウェイブックシェルフスピーカー。

低音再生にこだわるユーザーには注目すべき製品です。
特に同社の真空管アンプSWL-T20-SDと組み合わせれば、個性的な雰囲気と音質で、一目置くコンポなるのは間違いないでしょう。

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または

3【訳あり品】

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