『SACDとハイレゾ』これら2つの高音質はなぜ売れないのか?

音楽ソースの現在の主流と言うと、ネットからのダウンロード音源ですね。

でもオーディオの原点から見れば、やっぱりCDやレコードがスタンダードではないでしょうか?

特にコンポを2000年以前から親しんでいたオーディオファンなら、テープデッキなんかも持っていたでしょうから、エアチェック(FM放送の録音)も重要な音源だったに違いありません。

 

まあそれは良しとして、ところで、どの音楽ソースにしても、特別に音質を極めた音源と言うものがあります。

それはCDならSACD、レコードやダウンロードならハイレゾですね。

 

これらは、20Hz~20kHzと言われる人間の可聴域を超えた、より自然界に近い音質が楽しめるもの。

ところがどちらも発表されて何年も経つと言うのに、未だあまり売れず普及するに至っていません。

 

その理由は、悲しいことに特に必要とされていないから、と言うことなんですね。

なぜクオリティの高いものなのに売れないのか、今回少し述べてみたいと思います。




 

SACD/ハイレゾのメリット

 

 

まず「SACDとは何ぞや?」「ハイレゾも何ぞや?」と詳しく語りたいところですが、長くなって私自身上手く説明できないので、ここでは要約して両方のメリットに付いて記したいと思います。

効果としてはどちらも同じで、冒頭にあるように、人間が捉えられる音域を超えた音まで再生して、より生々しく高音質に聞こえるようにしたもの。

 

 

一般的に低音の強さとしっかり感、そして高音の伸びやかさ、またボーカルの艶やかさが味わえる音楽データなんです。

簡単に言えばCDになった音源がSACDであり、ダウンロードやレコード音源になったものがハイレゾと呼ぶ訳ですね。

また、それぞれ再生方法が違うし録音方式も異なっています。

 

ただ、レコードは元々可聴域帯の縛りがないので、ハイレゾとそうでないものの区別をしてはいません。

特に高音質を唱えたマスター音源によって作られたレコードは、デジタルではありませんが、ハイレゾディスクと呼んでも良いでしょう。

どれも、ハイクオリティを狙ったものと言うのは同じです。

 

 

では、SACDハイレゾではどっちが高音質かと問われると、リスナーの好みもあるので、これは一概には申し上げられません。

CDの方が好きな人ならSACDを選べば再生が楽だし、アナログ派ならレコード、またデータでの再生がお好みなら、PCを使った再生でハイレゾを楽しめます。

SACDにしろハイレゾにしろ、今までにないリアルな音で音楽を聴きたいのなら、どちらもおすすめの音源です。

 

SACD/ハイレゾのデメリット

 

 

SACD/ハイレゾを聴くにあたり、デメリットとなることは製品として何もありません。

強いて言うなら、導入において相応に費用が掛かることでしょう。

 

それはどちらにしても、ソフト(データ)が高価なこと。

普通のCDやデータ音源と比べて結構割高で、アルバム1枚当たり4000円ほどします。

とは言え、昔、人気ミュージシャンのアルバムがこれくらいの価格だったので、そう思えば、それほど負担ではないとも言えそうですが・・・。

それから再生機材にしても、専用のものを使わないといけません。

SACDは、ハイブリッドディスクなら普通のCDプレーヤーでも再生できますが、高音質を生かそうとすればSACDプレーヤーが必要です。

これが初心者に取って敷居が高い価格で、10万円以上するモデルばかりなんですね。

 

 

レコードからのハイレゾなら、あまり高価格なレコードプレーヤーでなくても、PCにつないでデジタル出力可能なモデルを使い、DSD録音すればハイレゾ音源が完成。

一般のレコードプレーヤーを使う場合は直接PCとは接続できないので、プレーヤーとPCの間にオーディオインターフェースを接続、DAWソフトを使ってレコード音源をハイレゾ化したデジタル音源に変換可能です。

PCはダウンロードしたデータ音源と同様、光など、アンプへデジタル出力できる環境が必要になりますね。

 

あとは、SACD/ハイレゾともデジタル入力ができるアンプと、再生性能の高いスピーカーシステムを用意します。

これらは高価なモデルでなくても、ハイレゾ対応などとうたっていれば使えますが、高音質を生かすなら、やはりハイグレードなモデルを選んだ方が後悔しないでしょう。

まあ何でもそうですが、品質の高いものを味わうには、それなりに出費を惜しまない覚悟がいると言うことです。

 

まとめ:良いものを堪能するなら相応の投資が必須だが・・・?

 

 

以上、SACD/ハイレゾに共通するメリット/デメリットに付いて、掘り下げてみました。

どちらも超高音質であることに間違いはありませんが、それにどっぷり漬かるには、まず高価なディスクやデータを買わなくてはいけません。

 

それに加えてSACDプレーヤーや、PCとつないでデジタル出力できるレコードプレーヤーも必要になります。

さらに高性能なアンプやスピーカーも用意するなど、全部で20万円~30万円ほどの投資をしないといけない訳です。

 

にもかかわらず、その投資に見合った音質の違いを、全ての人がしっかり感じられるかどうかと言えば、それは実際に聴いてみないと分からないかも知れません。

なので「そこまでしてSACD/ハイレゾなんか要らないよ」と売れないのでしょう。

そんなことのためにお金を使うなら、ゲーム機やスマホを買った方がマシ、と言う人が多いのが現実なんですよね。

 

ですが、オーディオも立派な趣味であることは確か。

もっと「より高音質を手に入れるためにもっと投資をしても良いよ」って人を増やすためには、オーディオ界・音楽界の環境を変えなくてはいけません。

そのために、これら高音質なタイトルを大量に発売し、個性的で低価格なオーディオコンポを開発して、さらに、今までと違うPRもしないといけないのではないでしょうか?

 

 

特に音楽ソフトの方は、高音質だからこその魅力を発揮する曲作りをしてほしいです。

そうすることで爆発的なヒットは望めなくても、一定の力強いファンを掴むことができるのでは、と私は考えます。

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