ブックシェルフスピーカーの置き方で横置きにするデメリットって何かある?

 

オーディオスピーカーの型式はいくつかあり、代表的なモノを述べるとフロア型とトールボーイ型、そしてブックシェルフ型があります。

ブックシェルフ型は現在のところ、特にニアフィールドに適した小型サイズが人気ですが、その理由は部屋の中で場所を取らず、セッティングレイアウトが楽だからでしょう。

 

しかし、そんなブックシェルフ型でも、多くが縦型で使うのを基本に設計されています。

とは言え本来、ブックシェルフとは本棚を意味するものの、その本棚で使うには、横にしないと収納し切れないこともあるハズです。

そのように横置きにした場合、音質に影響するようなデメリットはないのでしょうか?

 

結論として大雑把に言うなら確かにありますが、そんなに気にするほどのものではありません。

でも細かいことにこだわる人なら、これでは納得しないかも知れませんね。

そこで今回は、ブックシェルフスピーカーを横置きするデメリットを深掘りし、少しでも音質低下を防ぐ方法を述べてみたいと思います。




 

ブックシェルフスピーカーの知っておくべき正しい置き方

 

 

ブックシェルフスピーカーと言えども、その大きさには幅があります。

本来なら、本棚にスッポリはまる大きさが相当だと思いますが、フロア型に近い大きめのモデルも以前は多くありました。

 

そんなモデルのウーファーの大きさは、20㎝~30㎝口径ほどになりますね。

このクラスのモデルを使うとしたら、床に置いて使うのが基本なので、床からの反響を弱めるスタンドに載せるのが必須です。

キクタニ モニタースピーカースタンド MO-SPS

 

それと、それなりに低音エネルギーが後ろにも回るので、ある程度、壁から離して設置しないといけません。

特にブックシェルフ型は低音を補強するため、背面にバスレフポートを備えたものが多数存在します。

 

壁に近付けすぎると音がこもってしまうので、フロア型と同様に注意が必要なんです。

前面にポートを備えたモデルなら多少影響は少ないですが、それでも壁にピッタリ付けるのは止めた方が良いと思います。

 

 

これに対し、ウーファー口径が10㎝程度の小型モデルは、棚にポンとそのまま置いても問題が起こることは少ないでしょう。

ただし収納する本棚やラックは、頑丈で作りがしっかりしたものを使って下さい。

重量物を収納可能な、オーディオラックやテレビ台なら大丈夫だと思います。

 

ブックシェルフスピーカーを横置きにする場合のデメリット

 

 

冒頭で述べたようにブックシェルフスピーカーも、他の形式のスピーカーと同様に、基本的に縦位置で使うことを前提に設計されています。

ですからそのまま横置きにするのは、あまり推奨されません。

 

横置きにしてそのままスタンドに載せると、何と言っても不安定になりますからね。

どうしても横にしたいのなら、スピーカー1台に対しスタンドを2台使うか、専用のものを自作するしかないでしょう。

 

そもそも普通に床に置くのであれば、AV用のセンタースピーカーでない限り、わざわざ横置きにするメリットなどないハズです。

ところが本体が小さめのモデルなら、本来のブックシェルフ型として、縦がダメでも横にすれば本棚にスッポリ入ることがあります。

 

 

ではこの場合、スピーカーを横置きにすることの、音のデメリットって何でしょうか?

それは実際に私がやってみて感じたのですが、音質が変化してしまうことです。

 

一般的にスピーカーの高さは、リスナーが椅子に座って、耳の高さにツイーターが来る位置に決められます。

すると横置きのために、ウーファーが同じ高さに並んでしまいます。

 

縦置きの時よりもウーファーが高くなることで、床から少し離れてしまい、低音の量がやや減って聞こえるんですね。

本来スピーカーシステムは縦に置くことで、ツイーターよりウーファーの位置が低くなり、床からの音の反射を多く受けます。

それが高い位置になってしまうことで、低音の量感に変化が出るのは、当然の結果と言えるでしょう。

 

またウーファーとツイーターが横軸に並んだことで、音が左右に広がるように変化。

これは2本のスピーカーのウーファーを中心側に、ツイーターを外側に置いた場合のことです。

音が広がると言うのは聞こえが良いようですが、楽器の位置が不明瞭になるなど、音の定位が悪くなるんです。

 

さらに、縦置きよりスピーカーと棚が接触する面積が増え、棚が振動しやすくなるデメリットも生じます。

とは言っても、リスナーによって受け取り方が違うので、特に何も感じない人もいるかも知れません。

 

これはスピーカーモデルによっても違いがあり、本体サイズが縦と横であまりサイズ差がないタイプや、ユニットが1つしかないフルレンジタイプだと、さほど定位の変化を感じないでしょう。

2ウェイスピーカーでも、コアキシャルタイプ(ウーファーとツイーターが同軸上にある)なら同じですね。

 

しかし多少でもデメリットがある以上、改善を試みたい人もいると思います。

そこで次に、その対策を述べてみましょう。

 

ブックシェルフスピーカーを横置きにした場合のデメリット対策

 

引用:KOTARO PARADISE 3

 

ブックシェルフスピーカーを、本棚等へ横置きにしてデメリットを感じたら、次のように対策をすると良いです。

横置きにする際のスピーカーの向きですが、まずはそれぞれウーファーを真ん中側に置き、ツイーターを外側へ向けるようにして下さい。

その方が左右でツイーターが離れるため、セパレーションが良くなってステレオ感が増します。

またウーファーが中央に集中することで、低音不足になりにくいです。

 

しかし、聴いてみたら音の定位が悪く不自然に感じたら、今度はツイーター側が真ん中になるよう、セッティングを変えてみましょう。

すると中高音域が集中するので、定位は良くなるハズです。

その代わり音の広がりが少なくなり、ステレオ感が弱くなったと感じるかも知れません。

その場合は、スピーカーの間隔を広めに取ると解決することがあります。

 

ちなみにスピーカーのモデルにも違って来ますが、おおよそ1mくらいは空けたいところですね。

どちらの向きが好みの音になるか、じっくり聴き込んで決めると良いでしょう。

 


オーディオテクニカ ハイブリツドインシユレーター AT6098

 

それからスピーカーを横置きにすることで、棚と接触する面積が増えて振動しやすくなるのは既述の通り。

なのでその時は、棚とスピーカーの間にインシュレーターを並べ、音をスッキリさせるのがコツです。

用意するインシュレーターは1台に付き、縦置きより多めの5~6個が良いと思います。

 

まとめ

 


引用:ハイファイ堂大丸東京店ブログ

 

以上、ブックシェルフスピーカーを横置きにした場合の、デメリットとその対策に付いて述べてみました。

ウーファーがツイーターと横方向同軸上に並ぶことで、低音の量感が低下したり、音の定位が悪くなったりしてしまいます

 

しかしデメリットとは言っても、実際には、ウーファーが20㎝口径を超えるモデルや3ウェイスピーカーなど、大きめの縦長モデルで特に影響が出るようです。

本棚やオーディオラック、テレビ台に収納できるほどの小型モデルは、置き方の違いでの音の変化は少ないと思います。

 

一般に、スタンドに載せて使うようなブックシェルフスピーカーは、本来、横置きは音の定位が変化することでおすすめしません。

本棚にすっぽり入るくらいの、ウーファー口径が10㎝程度のモデルに限っては、あまり縦置き・横置きに神経質になる必要はないでしょう。

 

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