かつて日本のオーディオ全盛期には、
ブックシェルフスピーカーでも、
ウーファーの大きなモデルが主流でした。
今ではオーディオのパーソナル化が進み
また狭い住宅事情も重なって、
10㎝程度のウーファーを載せた
小型スピーカーが人気となっています。
その中でウーファーを13㎝に大きくして、
少し低音に余裕を持たせたモデルもあり、
人気になっています。
「ONKYO D-212EXT」もその1つ。
今回はこのONKYO D-212EXTの魅力を
ユーザーレビューを基に探り、
検証・評価してみたいと思います。
ONKYO D-212EXTの特徴と旧D-212EXとの違い
D-212EXTは
幅18.8x高さ30.3x奥行きx29.7㎝の、
バスレフ型2ウェイスピーカーです。
13㎝径のコーン型ウーファーと
3㎝径のドーム型ツイーターを組み合わせ、
ツイーターは100kHzまでの帯域をカバー、
そのためハイレゾ再生が可能です。
デザインはオーソドックスですが、
バスレフダクトが背面でなく、
フロント下に位置するのが特徴。
ややバックロードホーン型に似て、
低音再生にこだわったモデルです。
定格インピーダンス/音圧レベルは
4Ω/84dBとなっていますから、
高能率のスピーカーシステムと言えます。
パワーが少なめのアンプとつないでも、
音量不足で悩むことはないでしょうね。
ところでD-212EXTには、
旧モデルにD-212EXがありました。
両機の違いはどこにあるかと言うと、
それは主にウーファーの形にあります。
旧D-212EXはコーン中心にある
センターキャップがない、
A-OMFモノコックと呼ばれる、
一体成型コーンを採用していました。
それをD-212EXTでは、旧来の
センターキャップ付きに戻したのです。
センターキャップは成型後接着するので、
キャップレスはコーンの振動に対し
有利だったはずなのに、どうやら
実際の音質に有効ではなかったようです。
一般のセンターキャップ付きの方が
力強い低音再生ができるとのことで、
変更がなされたらしいのです。
他にも細かい部分に変更はあるものの、
仕様に大きな違いはありません。
D-212EXは音圧レベルが83dBで、
D-212EXTの方が高能率になっています。
その代わりでもないでしょうが、
最大入力が150Wから120Wへ
D-212EXTの方が低下しています。
ではD-212EXTの実際の音質は、
どんなものでしょうか。
ユーザーさん達のレビューを集めたので、
ご覧いただこうと思います。
ONKYO D-212EXTのユーザーレビュー
★「ONKYOならではのフロントバスレフのデザイン。黒っぽい色味でカッコいいと思う。サランネットを外すと、ウーファーが真っ白なので目立つ。ONKYOのスピーカーのラインナップは、だいたい同じタイプのリングツイーターだが、高音の再生能力は高くきらびやかな印象で鳴ってくれる。中音は豊かで伸びのある音だと思う。ヴォーカルは良く響き輪郭もくっきりした感じ。楽器の音の再現性も高いと思う。低音はサイズなりの限界があるが、フロントバスレフダクトなので、壁からの距離に依存せずに楽しめる。」
★「見た目はシンプルで良いと思う。高音はとても綺麗で、このスピーカーの魅力だと思った。刺さることもなくまろやかで、聴いていて心地よい高音だと思う。高音に埋もれることなく中音も素直に鳴っている。女性ボーカルが綺麗に聞こえる。低音は高音に比べると少し落ち着いたイメージで、そんなに量は多くはないが、個人的には十分満足できる音質だと思う。」
★「店頭で聴いたより意外にも繊細な音。ただブックシェルフゆえ、バッフル容量の小ささのマイナス点は仕方ないのはわかるが、低音の出方がブスブスと人工的である。大きさ・筐体の作りには満足。セカンドオーディオとして見る限りはいいんじゃないかな。」
★「音は明瞭でやや硬質な感じ。柔らかい質感や響きはないので、アコースティックな曲や楽器は微妙かもしれないが、逆に電子系の音楽にはよく合う。全体的に値段相応だ。」
ONKYO D-212EXTの評価
ここで私がD-212EXTの評価をして、
まとめてみましょう。
本機はボディが小さいですが、
その大きさの割には
良く鳴るスピーカーだと思います。
特に高音の伸びが秀逸で、ハイレゾ
対応なのがうなずけますね。
決してキツい音で鳴ることもなく、
不快に感じることはありません。
この傾向は、D-212EXから同じです。
今回ウーファーを新しくしたことで
低音の力強さは増したはずですが、
どれ程違うかは両機を並べてみないと、
良く分からないかも知れません。
ただバスレフダクトが前面にあって、
容積の割に力強さと量感があるのは、
どちらも同じくらいだと思います。
とは言え、さすがにスケール感は
大型モデルにはかなわないので、
サイズからすれば元気に鳴るものと
認識するべきですね。
全体的に見れば
デジタル的なカッチリした音なので、
少しドンシャリな印象があります。
クラシックやモダンジャズのような
アコースティックな楽器を使った音楽は、
ちょっと合わないかも知れません。
それよりエレキ楽器を多用したポピュラー、
またJ-POPの方がピッタリしそうな
スピーカーシステムと言えるでしょう。
※この商品は現在購入できません。
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