『城下工業 SOUNDWARRIOR 真空管アンプ SWL-T20-SD』レビュー:個性的なサウンドを求める人におすすめ

今、デジタル音源が一般的になっている一方で、数年前からアナログレコードが人気復活していることを、あなたもご存じのことでしょう。

その音質とは艶やかなもので、CDとは違い、空気感と言うか現実感を覚えるものです。

 

もし、あなたがこのアナログサウンドに好意を持っているとしたら、音を増幅するアンプにもこだわってみるのも良いかも知れません。

と言っても決して扱いにくいものではなく、普通のトランジスタアンプと同じように使える真空管アンプです。

 

おすすめは「SOUNDWARRIOR SWL-T20-SD」と言う、少し長いネーミングのモデル。

今回は、オーディオ初心者に相応しいこのプリメインアンプにスポットを当てて、ユーザーレビューを交え評価してみたいと思います。




 

SWL-T20-SDは真空管方式ながら小型・軽量のアンプ

 

 

SWL-T20-SDは、長野県に本社のある城下工業の製品。

自社工場を持つ、れっきとしたメイドインジャパンモデルです。

 

 

同社のブランドSOUNDWARRIORと言えば、ヘッドホンのメーカーと気付く人も多いかも知れませんね。

そのSOUNDWARRIORが製造販売する、純A級クラス真空管アンプが本機なんです。

特徴はまず、石油ストーブのような独特のデザインにあると思います。

電源ONで赤く光る3本の真空管が、トランジスタアンプにはない暖かみを感じますね。

 

実際に真空管は結構熱を発生するので、冬はちょっとした暖房器具になりそうです。

デザインは変わっていても、接続や扱い方にトランジスタ方式と比べ奇異な部分はなく、持っている実力を発揮するのに、少しの間ウォーミングアップが必要なことくらいです。

 

出力は3W+3W(1kHz)。

一見アンダーパワーに思えるのですが、普通にスピーカーを鳴らすには1W+1Wも必要ないので、インピーダンスが6Ω~8Ωのスピーカーを使えば、音量不足になることはありませんよ。

 

本体の大きさも、この手のプリメインアンプとしては小型で、底面積がだいたいA4サイズくらい。

この大きさでRCA入力が2系統、これに加えPhono入力が1つあるんです。

 

つまり本機はPhonoイコライザーを内蔵していることで、一般のレコードプレーヤーをダイレクトにつないで、アナログレコードを再生できるんですね。

ほかにΦ3.5㎜のAUXジャックもあり、イヤホンジャック付きのスマホやウォークマンと接続ができます。

もちろんヘッドホンのメーカーらしく、Φ3.5㎜のイヤホンジャックも付いていますよ。

 

スピーカー出力は、バナナプラグ対応のものが1系統しかありませんが、サブ出力端子もあって、必要に応じてサブウーファーをつなぐことが可能です。

操作パネルはプリメインアンプらしく、バス・トレブルのトーンコントロールつまみがあり、自分好みの音質を作れます。

このアンプをもし使うとしたら、やっぱりレコードプレーヤーをつないで、アナログレコードを楽しむのがお似合いでしょう。

何と言ってもレコードを聴くにはひと手間掛けることが必要だし、本機もウォーミングアップをしないといけないところが、いかにもオーディオ的感覚にさせられるのですから。

このレトロな雰囲気に浸れるところが、本機の最大の魅力になるのだと思います。

 

SWL-T20-SDの音質とは?

 

 

本機の音質は簡単に言えば、多くの人が知っている真空管らしい、ゆったりとした柔らかめの音。

エネルギーが中低音に寄っていることで、ダイナミックなサウンドを想像するものの、決してドンシャリ音ではありません。

 

電子音を多用した、リズミカルなジャンルの音楽はあまり似合わないとは思いますが、でも長時間聴いても疲れない音です。

小編成のジャズやクラシックが、最も向いていると言えるでしょう。

 

 

エネルギッシュでなければ、ボーカルを前に出した音楽も良いかも知れませんね。

きらびやかさがあまりないことで、じっくり聴き込むより、お酒を飲みながら読書をするスタイルがピッタリではないかと思います。

 

では、実際に購入して愛用しているユーザーの皆さんは、本機にどんな印象を持っているのでしょうか?

使い心地も交えて、いくつかレビューをピックアップしたので、次の頁でご覧いただきましょう。

 

SWL-T20-SDのユーザーレビュー

 

★「若いころ、友人の数十万円もする真空管アンプを聴かせて貰って憧れていたが、部屋の広さの問題もありこちらを購入した。ヤマハのブックシェルフ型のスピーカーを、10畳ほどのリスニングルームでオーケストラを鳴らすにはちょっと役不足だが、スピーカーの間隔を1メートル以内にして、リスニングポイントを前にして再生した所、CDによっては中々分解が良くて、ティンパニの音も明瞭に響いたり低音もしっかり再生してくれた。」

★「製品は丁寧に梱包されており、振動などの影響はないように思えた。音は想像したとおり管球の音色が優しく、出力が小さいながらもしっかりと出ている。」

★「中域の艶が強すぎる感じ。聴き疲れするほどではないが・・・。明瞭な感じの音の現代のデジタル音源では艶の上乗せになって、少し高いトーンの女性ボーカルは不自然な感じ。テレビなどの台詞は聞きやすい。RCA・スピーカーケーブルの変更や、インシュレーターでハイ上がりを抑えようとしたが、本機のトーン調整が一番有効で、低音+3 高音-1くらいで艶は落ち着くが・・・。トーンなしで利用するには、真空管を替えるしかないか。」

★「トーン回路の増減度が±12dbもあり、このことが6Wの出力でありながら、自分好みにできる大きな効果がある。入力端子が3回路とphono回路があり、スイッチの感触がよく使いやすい。真空管3本で、消費電力が45Wはすばらしい。信頼の日本製で保証がある。」

 

まとめ(評価)

 

 

SWL-T20-SDは、高品質なメイドインジャパンの製品でありながら、大手メーカーが手掛けない希少なプリメインアンプです。

オーディオ初心者向きとうたいながらも、他とは違うマニアチックな雰囲気を持ったモデルですね。

 

好きな音楽をちょっと手間を掛けて楽しみたいと思う人や、一式コンポを持っているんだけど、音質の違うコンポも別に手にしたい人におすすめです。

本体がコンパクトで出力も小さいので、小型スピーカーと組み合わせることで、本機の実力を発揮するのではないかと思います。

 

SW-SP1 正面と背面

 

ちなみにSOUNDWARRIORでは、本機に合わせるように開発したスピーカーシステム、SW-SP1を組み合わせたセットモデルも用意。

SW-SP1は、10㎝ウーファーと2.5㎝ツイーターの2ウェイシステムで、特徴的なのは一般的に多いバスレフ方式ではなく、ドロンコーン方式を採用していること。

このため本体そのものは小さいのに、ふっくらした豊かな低音再生可能になっています。

SWL-T20-SDはメーカーの異なるスピーカーを使っても、艶やかで暖かみのある音を楽しめますが、ドロンコーンを使ったSW-SP1を組み合わせると、さらに低重心の音を味わえるでしょう。

本格的にオーディオコンポを始める第一歩として、SOUNDWARRIORの製品を選ぶのも決して悪くはないと私は思いますよ。

2SWL-T20-SD単体

2SWL-T20SET1-SDスピーカーセット

 

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