『コピーコントロールCD』これって一体何だったのか、あなたは覚えていますか?

すでに忘れてしまって、もう記憶にない方もいるかも知れませんが、かつて物議を醸(かも)したCDに「コピーコントロールCD」と言うものがありました。

略してCCCDと呼ばれ、今世紀の初め2002年ごろに、突如現れたCDを指すものです。

 

評判が非常に悪かったので、2005年までに完全に消えてなくなったのですが、これ実は、レコード会社や音楽プロダクションなどに取っては、切実な事情があってのものでした。

今回はこのCCCDに付いて、その歴史・いきさつに付いて触れたいと思います。




 

CCCDとはどんなCDのことを指すのか?

 

出典:フリーソフトラボ.com

CCCDを簡単に説明すると、ディスクに記録されている音源のクオリティのまま、CD-Rなどのデジタル媒体にコピーできなくしたCDを言います。

CDプレーヤーで音楽再生することはできますが、PCのディスクドライブでコピーしようとするとコピーガードが働いて、それができない仕組みになっているのです。

 

 

けれどもCDプレーヤーからRCAケーブルを使って、アナログで録音はできるので、コピーガードCDではなく、コピーコントロールCD(録音制限CD)と呼んでいるんですね。

こんな目的で生まれたCCCDですが、本来のCDと比べ音質が悪いとか、普通に再生しているのに、音が飛ぶなどの不具合が生じる問題がありました。

 

CCCDが誕生したきっかけとは?

 

 

ひと昔前、オーディオコンポにはオープンリールデッキやカセットデッキと呼ばれる、録音再生を目的としたレコーダーがありました。

これらでレコードやFM放送なんかを録音して、テープに残していたんですね。

録音と言ってもあくまでアナログ録音なので、レコードやCDよりも音質は劣ります。

 

なので常にHi-Fiを求めるオーディオファンは、まずはレコードを購入したら、バックアップとしてテープに残していたんですね。

特に、レコードは演奏を繰り返すと摩擦で消耗して行くので、普段は音質が劣ってもテープで音楽を聴き、ここぞと言う時だけレコードの高音質を楽しんだものです。

CDは再生を繰り返してもディスクは劣化しないので、後からわざわざ音質を落としてまでして、テープに残すことはあまりなかったですけどね。

 

 

ところが20世紀末に、ウィンドウズやマッキントッシュ(マック)PCが普及するようになったことで、元のCDと全く音質が変わらないデジタル録音が可能になりました。

つまりCDと、ウリ二つのディスクができてしまうようになった訳です。

 

と言うことは、レコードレンタル店で借りたCDをコピーしてしまえば、もう、1枚3千円~4千円もするディスクなど買わなくても済んでしまいますよね?

しかもPCが苦手で使えない人でも、コピーCDが作れるCDレコーダーもパイオニアなどが出していましたから、レンタル店は稼げても、レコード会社やプロダクションなどは儲かりません。

レコード盤はアナログなので録音すると音質が低下しますから、高音質にこだわる人はレンタルせず購入するので、売り上げに大きな痛手はありませんでした。

 

しかし、当時は音楽ソースはすでにCDが主流となっており、これをコピーして同じ音質で楽しめるとなれば、多くの人がレコード店(CDショップ)へ足を運ばなくなるのは想像できるでしょう。

このような経緯から、大きな危機感を持ったレコード会社が考え出した結果が、CCCDだったと言う訳です。

 

CCCDが登場したことによる購入者のデメリットとは?

 

出典:みんカラ

CCCDが姿を現したのは2002年ごろなのですが、これによりレコード会社などの利益が守られたように見えました。

ところがこのディスクは、CDの規格にはそぐわないものだったので、ジャケットやディスクにCDレーベルを付けることができませんでした。

その代わり、上の写真にあるようなマークを付けることで、CDと区別させたのです。

 

そもそもCCCDは、全てのレコード会社が採用したものではなく、ソニーレコードとエイベックス・トラックスの2社が中心に推進させたもの。

すでに述べたように、このディスクにはデメリットがあることで、採用に消極的な会社もあったのです。

 

音楽ソースに取って重要なのは、できるだけ元音源に忠実な音質であることと、トラッキングエラーの起きないスムーズな再生ができること。

音が悪い上に、エラーが出て再生そのものがまともにできないのでは、商品価値がなくなるのは言うまでもありません。

 

 

デジタルコピーが不可能なだけだったらまだしも、こんな致命的なデメリットがあるのでは、幾ら好きなミュージシャンのディスクでもファンは購入しなくなるでしょう。

結局レコード会社はますます自分の首を絞めることとなり、2005年までにCCCDは完全に消えてなくなる運命となりました。

 

今後CCCDはどうなって行くのか?

 

 

現在CCCDによる新譜は出てないものの、中古レコード店では見かけることがあります。

いわく付きの商品なので安く購入できますが、もし買うとしたら注意が必要でしょう。

 

で、その後CDはどうなったかと言えば、少しは売り上げを戻したものの、今度はレコードの人気復活の影響で、再び窮地に立たされることになります。

CDでは不可能なハイレゾ帯域も再生できるレコードですが、だから人気が復活したのではなく、レコードに針を落とす行為が面白いと、若者に受けるようになったんですね。

 

 

でも、ハイレゾにこだわったオーディオファンがいるのも確かで、そこでレコード会社とオーディオメーカーが共同して、今度はSACDを登場させます。

基本CDでありながらハイレゾ相当の音質が得られ、しかもレコード会社が望んだデジタルコピーができない仕様のディスクです。

これぞ究極のCDの誕生と言いたいところですが、再生するには既存のプレーヤーでは無理で専用のプレーヤーが必要になり、それがまた結構高価。

さらにIpodの登場から始まった、ネットからのダウンロード音源の配布が定着したことで、SACDは思ったほど売れませんでした。

そのため、未だCDの苦境は続いているんですよね。

 

現在のところ、CDの最大のライバルはCDコピーなのではなく、依然ダウンロード音源と言うことになります。

レコードの復活のおかげで、レコードでの新譜も増えて来てはいますが、実は人気となっているのは主に中古レコード。

 

レコードを含め、CDを新譜で復活させるにはどうしたら良いのか、オーディオメーカーと共にレコード会社各社は、今後も頭を抱える時代が続きそうです。

ちなみに私は個人的にはCDが好きなので、これからも応援をしたいと思っています。

 

 

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