手軽に、どこでも音を楽しめるオーディオアクセサリーに、イヤホンがあります。
私は個人的にはイヤホンよりスピーカー派なので、本当ならばこちらの方が好きです。
ですが若者の間では、どうしてもイヤホンの方を好む傾向がありますね。
そのためか日本では、ヘッドホンを除外してイヤホンだけ数えても、何百種ものモデルがあり型式も豊富です。
その中でも特に人気なのが、オープンイヤー式ワイヤレスイヤホンで、一般のヘッドホンと比べると、はるかに心地良い装着感が特徴となっています。
そこで今回は、お手頃価格ながらコスパの良さで高評価を得ている、一体型モデルの「SOUNDPEATS RunFree」をレビューしてしてみたいと思います。
本機の音質や使い勝手は、どんなものなのでしょうか?
私が実際に手や耳で触れてみた使用感を、ここであなたにお伝えしましょう。
SOUNDPEATS RunFreeの特徴
それではまず、メーカー提供のプロモーション動画で、RunFreeの全体を把握していただきたいと思います。
これでおおよその商品概要が分かるでしょう。
本機は今や当たり前になりつつある、Bluetoothを使ったワイヤレスイヤホンで、左右がワイヤーでつながれた一体型デザイン。
素材そのものは、プラスチックやニッケルチタンを使用していますが、全体を液体シリコンで包んで非常に肌触りの良い、ボヨンボヨンした感じに仕上がっています。
そのちょっと近未来的なデザインは、ドイツの権威ある2023レッドドットデザイン賞受賞で認めらたもの。
たかがイヤホンながら(失礼!)なかなか凝ったもので、オーディオアイテムと言うよりスポーツアイテムのようです。
実際耳に掛けてみると、振動部が耳をふさがないオープンイヤー式となっていて、周囲の音が良く聞こえますね。
そのため、本体が31gと軽量であることもあり、着けている感じが少ないです。
ただオープンイヤー式は、一般的に閉塞感が少ないのと引き換えに、低音の再生能力が低いと言われているのが欠点。
それを本機では、イヤホンとしては大型の直径16.2㎜の大型ドライバーと、低音を増強するラムダ型音響空間と呼ぶシステムで、低音不足になるのを防いでいます。
これはいわゆるスピーカーシステムで例えれば、バスレフ式構造と同じで、低音の迫力を失わない方法の1つなんですね。
オープンイヤー式に良くある、スカスカの低音とは無縁となっています。
本機は左右一体型ワイヤレスと言うことで、完全ワイヤレスのように収納ケースがありません。
なので本体には大きなバッテリーを内蔵しているのですが、その可動時間は最大14時間ほどです。
これだけの時間聴けるなら、一体型としては不満のないレベルと言えますね。
充電用端子はUSB-Cタイプを採用し、直接本体にケーブルでつないで給電します。
付属のケーブルは携帯性重視のためか短めですが、他の機器でも使うUSB-Cケーブルが使えるので、長さが不足するならそれを使っても良いでしょう。
ちなみに充電アダプターは付属していないので、自分で用意しないといけません。
ただし容量が、5V/1Aを超えないものを使うよう取説に記されており、注意が必要です。
それから本機の機能として便利なのが、マルチポイントに対応していること。
つまり2つの違うBluetooth機器から、同時に受信が可能なのです。
例えば、1つをタブレットにつなぎ音楽を聴きながら、もう1つをスマホにつないで、電話が来たらすぐに切り替えて通話することができますよ。
本機は1万円を切るリーズナブルなイヤホンながら、便利な仕様と機能を備えた、コスパの高いモデルになっているのです。
SOUNDPEATS RunFreeとRunFree Liteの違い
RunFree
RunFreeには兄弟機種にRunFree Liteがあります。
名前が示す通り、RunFree Liteの方が下位モデルです。
RunFree Lite
では両機にはどんな違いがあるのでしょうか?
調べてみると、ユニットのデザインが少し異なる以外に、大きく二つの点で違いがあることが分かりました。
1つは本体の質感の違い。
RunFreeは既述のように全体的に液体シリコンに覆われ、非常に肌触りが良く高級感もあります。
対してRunFree Liteは、プラスチック素材そのものの質感で、肌触りも劣ります。
2つめの違いは、RunFree Lieには、ラムダ型音響空間が搭載されていないこと。
ドライバーとなる振動板こそ一緒でも、この機能のあるなしで低音の再生能力に違いが出るので、これでRunFreeの方が音質的に有利なのはお分かりでしょう。
価格はRunFree Liteの方が安いですが、コストパフォーマンスを考えれば、RunFreeを購入した方が後悔しないと思います。
実際には、RunFree Liteは旧型モデル扱いになっているようなので、迷うことなくRunFree一択で選ぶべきでしょうね。
SOUNDPEATS RunFreeを実際に使ってみた
ではここで、RunFreeを実際に使って音を聴いてみましょう。
独特のデザインのため、慣れるまで装着に時間が掛かりますが、1度装着してしまえばフィット感は良く、違和感のようなものはありません。
既述のように、耳を完全には塞がないオープンイヤー式であるため、確かに周囲の音は良く聞こえ、あくまで自然な装着感です。
左右一体型であってもほど良く耳にフィットし、少しくらい左右に頭を振っても外れてしまうことはなく、仮に外れてしまっても片方だけなくしてしまう恐れはないでしょう。
激しい運動だと耐えられないでしょうが、ウォーキング程度なら全くズレることもないと思います。
ただし頭を上に向けると、ネックバンドがシャツの襟に触れるので、全体がややズレ気味になりますが、まあそんなに気にするほどのことはないですね。
それと防水機能もありIPX4にパスしていますから、汗や小雨くらいなら安心して使えるでしょう。
電源のON/OFFは、スイッチを押して手動で行う構造。
右側ユニットにある3つのスイッチのうち、真ん中の突起の高い部分を長押しします。
このスイッチは、Bluetoothのペアリングも兼ねています。
音質は私の予想に反しドンシャリではなく、低音から高音まで聴きやすい優しい音です。
とは言っても本機には専用のスマホアプリがあり、この中にある10連イコライザーで低音と高音を持ち上げれば、なかなか迫力ある音質に変化。
オープンイヤー式である割に、低音は良く出る方だと言えます。
ドンシャリでないだけに、長時間聴き続けても疲れない音で、一日中音楽を楽しみたい人に取っては、持って来いの音質ではないでしょうか。
けれども気になる点が1つ。
それは全体的に音が小さめなことです。
本機を屋内で使う分には、あまり気にはならないものの、野外で使うとどうしても周囲の音が邪魔になり、やや音量不足を感じます。
公園などベンチに座りながら、静かに楽しむ環境下なら良いですが、ガンガン鳴らしたいと思うと、かなりボリュームを上げないといけません。
私は同じSOUNDPEATSの完全ワイヤレスイヤホン、Air3 Deluxe HSも持っています。
単純に音質を本機と比較すると、Air3 Deluxe HSの方が高音質です。
こちらはLDACコーデックに対応しており、ハイレゾ音源も再生可能。(RunFreeはAAC/SBCまでの対応)
ハイレゾではない同じ音源を再生しても、より低音が力強くて高音の伸びも良いですね。
音量も、Air3 Deluxe HSの方が大きく聞こえて快適に感じます。
しかし、音質ではAir3 Deluxe HSが上回っていても、完全ワイヤレスと言うことで、うっかり落としてなくすリスクが大きいことから、私は屋内でしか使っていません。
屋外で使うのをメインとするなら、RunFreeでも音質に不満を生じることはなく良いのですが、音が小さいのはちょっと残念な気がします。
それでも一体型イヤホンに多い、骨伝導タイプを採用しておらず、本機は一般的な空気振動タイプで、自然な鳴り方をする点には好感が持てますね。
ところで、本機はBluetooth5.3に対応しています。
このおかげなのか周囲を動き回っても、簡単に音が途切れることがありません。
屋内でも、隣の部屋へ移動したくらいでは全く途切れないので、とても快適です。
楽器などの定位も良くクリアで、総合的には聴き疲れしない音なので、ずっと何時間聴いていても苦になりません。
特にドンシャリ傾向の音質が苦手な人には、本機はおすすめのワイヤレスイヤホンと言えるでしょう。
まとめ(評価)
SOUNDPEATS RunFreeは、圧迫感の少ないワイヤレスイヤホンを探している人なら、注目すべきコスパの高いモデルです。
音質的に刺激的な音を嫌う人なら、サウンドが優しい本機の購入を検討しても良いかも知れません。
SOUNDPEATSは、まだ日本ではなじみの薄いブランドですが、品質的にも大手メーカーと遜色はないので、もっと関心を持つべきではないでしょうか?
取扱説明書やアプリも日本語に対応しており、パッケージも上の写真のようにしっかりとしたものです。
製品保証も1年間あるのはもちろん、気に入らなければ購入後30日以内なら、返品返金することも可能です。
本当に良い製品か分からないけれど、取りあえず使ってみて、それからどうするか判断してみるのも良いでしょう。
数ある1万円以下のワイヤレスイヤホンの中で、RunFreeは、ベストバイモデルの1つに挙げられるに違いありません。
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