各機器が分かれた、本格的オーディオコンポまで手を出す気はないけど、音質にこだわった一体型モデルが欲しい方はいることでしょう。
ハイクラスなミニコンポにも匹敵するモデルを求めるのなら、このブランドの製品に注目して下さい。
それは、JVCが販売する「Victor EX-D6」です。
古くからのオーディオファンなら一目置く、Victorブランドのウッドコーンスピーカー搭載の一体型モデルなんです。
今回はこのEX-D6にスポットを当て、ユーザーレビューを参考に、検証・評価してみることにしましょう。
Victor EX-D6は一体型で初めてウッドコーンを使ったオーディオコンポだ
まずはメーカー提供で、EX-D6のイメージ動画をご覧下さい。
おおよその商品概要が掴めると思います。
一体型オーディオと言えば、CDやラジオ・Bluetooth音源を中心に、居間や寝室で楽しむ簡易オーディオ的なイメージがあることでしょう。
EX-D6もそんな使い方ができるモデルですが、ウッドコーンスピーカーの採用やハイレゾ音源の再生も可能にして、他製品との差別化をはかっています。
ウッドコーンスピーカーと言えば、もうご存知の方も多いと思いますが、解像度の高い透明感のある音質が特徴ですね。
それを使ってボディ全体を厚みのあるMDF材で包み、重量感を増して(約7㎏)無駄な音の振動を抑えた設計にしています。
そして、85㎜径のフルレンジコーンで重低音を再生するため、ユニットのマグネット部分にウッドブロックを装着。
さらにボディ構造をバスレフ型としていますが、より低音の量感を増すためにダクトを長めに取っています。
幅450㎜x奥行き290㎜と、横幅の割に奥行きが長いのは、低音再生を有利にするためなんですね。
その結果、繊細な音を奏でながらも、低重心なウッドコーンの音が楽しめると言う訳です。
この音をより味わってもらえるよう、光デジタル入力端子やUSBメモリーを使い、ハイレゾ音源再生を可能にしています。
この辺りが、並みの一体型モデルと違うところですね。
一方でRCA入力端子も揃え、イコライザー付きレコードプレーヤーをつなげば、アナログレコードも楽しめます。
しかもUSBメモリーを使って、MP3ファイルで録音ができる機能を搭載。
録音はCDやFM/AMラジオ、RCA外部端子からの音源に対応しています。
タイマーも内蔵し、これを利用してラジオ番組のタイマー録音ができるのも便利ですね。
ラジオ部のアンテナは良くあるロッドアンテナではなく、アンテナ端子を装備していますから、本格的に野外アンテナを立ててクリアな放送を受信できますよ。
では次に、本機の使い勝手や実際の音質はどんなものでしょうか。
すでに使用している、ユーザーの皆さんのレビューをいくつか覗いてみましょう。
Victor EX-D6のユーザーレビュー
★「昔持っていたウッドの響きが忘れられず、ずっと待っていた。イヤホンでほとんど聴いてしまう現在、ウッドの響きは鮮烈で最初のラフマニノフでは震えを感じた。私にとってはいろんな意味で最高だ。」
★「デスクトップオーディオとしては、文句なしにトップクラスの音質だ。最高のサブオーディオとして活躍している。デザインもシンプルで高級感があって、飽きの来ないデザインだ。ただ価格が高過ぎるんじゃないか?とも思うが・・・。ウッドコーンEX-S55と同じくらいの価格設定で良かったようにも思う。しかし、思い切って購入して良かった、と思える製品だ。」
★「スピーカーの一体化について批判的な人もいるかもしれないが、配線が少なくなり音質的にも特に問題がなく満足できるものだった。ただリモコンの感度が悪い。反応が遅いので少しイラっとくる。あと本体のボリュームの大小が小さいボタンのため扱いづらい。普通にツマミのままの方がよかったと思う。発売後入荷待ちの状態が続いており、人気があるのも納得できる。それくらいいい商品だと思う。」
★「届いてすぐ色々なジャンルを聴いてみたが、クラシック、ジャズ・フュージョン系(インストもの)との相性がとても良いように感じた。クラシック好きの家人も納得の音質。英タンノイのスピーカをこよなく愛する家人も認めた音だ。音質も簡単に調節でき、イコライザー設定に少々戸惑う私でも、簡単に好みの音が出せた。Bluetooth接続もスムーズだったが、スマホ(Android)・ストリーミングウォークマンともに音量が小さくなるようだ。一つ難を言うなら、CDの開け閉め、読み込みの動作が少し遅いことだ。」
Victor EX-D6の評価
ここからユーザーレビューを踏まえて、私がEX-D6の評価をしてみたいと思います。
一体型オーディオは、CDラジカセとイメージが重なる方もいるかも知れませんが、本機を見てみると高級感があり、立派なオーディオコンポであることが分かります。
それだけにスピーカーのネットは外すことができ、ウッドコーンを強調するためにも外した方が断然にカッコ良いですね。
見た目にもずっしり重い印象で、音響的にも効果的なのが想像できます。
内蔵されたウッドスピーカーはとても真面目な音で鳴り、少々冷たさを感じさせるも低音はダイナミック。
JVCには同じ一体型でNX-W30がありますが、これと比べると1枚も2枚も上手(うわて)で、オーディオコンポ的な音です。
CDの再生機構も、この手のモデルに多いスロットイン方式ではなく、ちゃんとトレーが本体から出てくるタイプ。
スロットイン方式は、内部でCDが引っ掛かるトラブルが多いので、これを採用しなかったのは好感が持てます。
ただ、NX-W30の本体ボリュームが大きなツマミであるのに対し、本機はなぜか押しボタン式です。
操作しにくいことこの上ないのに、どうしてあえてツマミを採用しなかったのか疑問に思います。
それからヘッドホン端子が前面パネルではなく、背面パネルにあるのも不思議。
プラグが挿しにくいのは、想像するに容易でしょう。
本機は、Bluetooth式のワイヤレスイヤホンが別売りで用意されているので、これを使うことを推奨しているのでしょうか?
それでも、光デジタル端子やUSBメモリーでハイレゾ音源を入力できるし、反面、RCA端子を使ってレコードプレーヤーも使えるのは、オーディオコンポ的でマルですよね。
さらにリモコンのみながら、バストレブルトーンコントロールや、左右バランスコントロールがあるのも良いでしょう。
一体型機ながら20W+20W(JEITA 4Ω)の大パワーで、パワフルなサウンドが楽しめるのも大きな魅力です。
本機は、一体型機としては少々高価かも知れません。
しかし、場所を取らないコンパクトボディで、ミニコンポと同等の高音質を求める方にはおすすめのモデルと言えるでしょう。
また、すでにコンポは持っているけれど、サブ機としてもう1台揃えたい用途にも相応しいと思います。
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