レコードカートリッジ交換でアナログレコードの醍醐味を膨らまそう!

 

ダウンロードデータを集め、音楽を楽しむのが当たり前になっている昨今に、じわじわと人気を吹き返しているのがアナログレコード。

好きな音楽を聴くのに、わざわざ手間を掛けることが面白いようです。

 

でも手間を掛けて音楽を聴くことだけが、アナログレコードの魅力と言う訳ではありませんよ。

オーディオ初心者でも、気軽にもっとレコードに親しめる方法があるんです。

それはレコードカートリッジを交換して、同じ音楽でも違った音質で聴けること。

 

これデジタルソースではできない、アナログレコードだからこそできる楽しみなんです。

今回はレコードカートリッジを交換することで、どのように音質差が出るのか、またカートリッジの種類やおすすめモデルを、初心者の方にご紹介しましょう。




 

CONTENTS

レコードプレーヤーはカートリッジを交換して音質差を楽しめる

 

     出典:ティアック

 

レコードの人気復活で、しばらくプレーヤーの製造を控えていたメーカーも、少し前から新型モデルをラインナップしています。

新型モデルは、主にレコードを知らない層をターゲットにした、比較的リーズナブルなモデルが多いですね。

 

昔と比べ、ローコストながら耐久に優れ、使いやすさを前面に出したものが目立ちます。

駆動方式はダイレクトドライブ方式が減り、現在はベルトドライブ方式が主力です。

 

またレコード再生に必要な、イコライザーを内蔵していないアンプのため、プレーヤー本体にイコライザーの付いた機種もいくつかあります。

さらにかつて集めたレコード資産を、USB接続でデジタル出力できる機能を搭載するなど、一度レコードから遠ざかったオーディオファンに向けた機種も登場しました。

 

ただ新しくても基本的な構造に変化はなく、ユニバーサルトーンアームを使っている機種なら、先端にあるカートリッジを容易に交換することが可能です。

カートリッジを交換することで、いつものレコードを違った音質で聴く楽しみが増えるんですね。

あなたがもし、初めてレコードプレーヤーを購入するのなら、ぜひカートリッジが交換できるユニバーサルトーンアーム搭載のモデルを選んで下さい。

 

   出典:オルトフォンジャパン

 

レコードカートリッジは大きく区別すると、MM型(ムービングマグネット型)とMC型(ムービングコイル型)に分かれます。

MM型とMC型では構造が違うことで、音質に差が生じます。

 

   

一般的にはMC型の方が高音質で、価格も高い傾向ですね。

緻密な音を再生でき、クラシック音楽を好む方などに支持されています。

 

レコードプレーヤーに標準装備しているカートリッジは、多くがMM型。

でもMM型同士でもモデルが違えば、結構異った鳴り方をするんですよ。

一万円ほどで購入できるMM型カートリッジでも、魅力的に音が変化する機種があるので、まずはお手軽価格のものに交換してみてはいかがでしょう。

 

レコードカートリッジの種類と構造の違い

 

カートリッジは前述のように、MM型やMC型の2種類が代表的です。

その他VM型やIM型などもありますが、これらはMM型が製造特許を持っていたため、法に触れないよう一部構造を変えたもので、基本的にはMM型と同じです。

 

塩化ビニールでできているレコードには、音声データを凸凹の振動データにして、溝に刻み込まれています。

MM型は刻み込まれた振動データを、カートリッジから突き出たカンチレバーの先の針が読み取り、内部のマグネットを動かして発電、電気データに変換します。

 

   出典:VintageAudio JUSTFRIENDS

 

一方、MC型は針が読み取ったデータを内部のコイルを動かして発電、電気データに変える仕組み。

どちらも似たような構造をしているように見えますが、実際はMC型の方が複雑になっており、製造コストも掛かります。

それだけにMC型の方が高音質で、上品な鳴り方をするんですね。

 

構造が複雑なことで、針が摩耗してもユーザー自身が交換することはできません。

カートリッジを本体ごと、メーカーで交換してもらいます。

 

それに比べてMM型はシンプルな構造ですから、針の交換も容易にユーザーで可能。

絶対的な音質はこちらが劣るものの、MM型はダイナミックさでは秀でているので、音楽ジャンルによってはむしろ聴き応えがあるのが特長です。

 

さて、レコードに刻み込まれている音声データは、高音を大きく、逆に低音は小さくして録音されています。

高音を大きくするのは、なるべくノイズを遠ざけるため。

低音を小さくするのは、その大きな振動エネルギーで、針がトラッキングエラーを起こさないようにするためです。

 

ただ、このままこの音声バランスで再生すると、とんでもない音質になってしまうのは明白ですよね?

そこで、アンプで音声を増幅する前にイコライザーを介して、高低のバランスを整えるのです。

 

イコライザーは、アンプに内蔵している場合と、レコードプレーヤーに内蔵している場合があります。

また、イコライザーは単体でも販売されているので、音にこだわるマニアはこちらを使う方もいます。

 

カートリッジが発電する音声出力は小さなものですが、MC型は特に小さく、MM型の1/10ほどです。

当然このままアンプにつないでも、大きな音で再生することはできません。

 

そこで、昇圧トランスやヘッドアンプと呼ばれる機器をアンプの前に介し、出力する音声データを大きくします。

こうして考えてみると、MC型ははMM型と比べ本体が高価な上に、昇圧トランスなども必要なことで費用がかさみますよね?

なのでオーディオ初心者の方には、あまり予算を掛けずとも音の変化を楽しめる、MM型カートリッジの交換から始めるのがおすすめなんです。

 

初心者向けレコードカートリッジのおすすめモデル

 

オーディオと言う趣味は奥が深く、一度のめり込むと切りがありません。

レコードカートリッジに付いても同じことで、レコードが音楽ソースの主役だったころと比べれば数は少なくなりましたが、それでも高評価なものは今も健在です。

 

あれもこれもと食指が動いてしまうので、先に予算や好きな音の傾向を絞っておくべきでしょう。

レコードプレーヤーに標準装備されているのはほぼMM型なので、とにかく高音質を目指すなら、MC型をおすすめしたいところ。

 

しかし、前述のようにMC型カートリッジは全般に高価ですし、昇圧トランスなどを用意する必要もあります。

予算的にMC型は、初心者には敷居が高いんです。

 

なので前述の通り、初めは、同じMM型で音の傾向が違うモデルを選んではいかがでしょうか。

最新のレコードプレーヤーでカートリッジが装備されたモデルは、オーディオテクニカのOEMモデルが付属する場合が多いです。

 

そこで他社モデルで評判が良く、かつリーズナブルな製品を紹介したいと思います。

それは「ナガオカ MP-100H」です。

 

 

交換針で世界的シェアを持つ、あのナガオカの製品。

出力電圧が大きく迫力あるサウンドを奏でるので、特にジャズやロックなど、ポップな音楽が好きな方に相応しいモデルです。

 

トーンアームに簡単に装着ができるよう、シェルも一緒に付いています。

価格も安く、手軽にカートリッジ交換による音質差を感じ取ることができますよ。

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そしてカートリッジを交換したら、その都度行わなければならないのが針圧調整です。

プレーヤーの取扱説明書を読めば、本体だけでできることが明記されていますが、初心者に取っては少し面倒な作業となります。

 

そこで現在はデジタル針圧計が販売されているので、これを使うと良いでしょう。

おすすめは、こちらの「Signstek」の製品。

 

 

価格は他機より安いですが、針圧計は針圧を計る時だけに使うものなので、このモデルで十分こと足ります。

 

※この商品は、現在販売されておりません

 

使い方は簡単で、取扱説明書を読めばすぐに使えますが、オルトフォンから針圧計の扱い方の動画が公開されているので、ここに貼っておきましょう。

Signstekと使い方はほぼ同じです。

 


協力 オルトフォンジャパン

 

まとめ

 

今回は、レコードプレーヤーを使ってアナログレコードを聴く楽しみは、ただ盤上に針を落とすことだけではないことをお伝えしました。

カートリッジを交換すれば、いつもとは違った音質でお気に入りのレコードを味わうことができるのです。

 

CDプレーヤーでも、より高音質な音で聴くことが可能ですが、この場合、前提としてデジタル出力端子が装備されていることが必要になります。

そして、再生するアンプとCDプレーヤーとの間に、DAC(デジタル・アナログコンバーター)をつながないといけません。

DACもそれなりの費用が掛かるので、初心者にとっては現実的ではありませんよね?

 

しかしアナログレコードなら、レコードカートリッジを交換するだけで、それまでとは違う音を楽しむことができるんです。

これは、アナログレコードならではの大きな特長と言えるでしょう。

あなたがレコード再生に興味があるのなら、ぜひやってみてはいかがでしょうか。

 

なお補足として、カートリッジは長期間使わないでいると、内部のゴムが硬くなり劣化してしまいます。

ゴムが劣化すると針を支えるカンチレバーの動きが鈍り、音が歪んだり途切れたりするので、運動不足にならないよう時々使ってやるようにしましょう。

ずっと使わないでいると、まともに音が再生できなくなってしまうことを、覚えておいて下さいね。

 

 

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