『真空管アンプの使い方(オーディオ用)』取扱いを間違えると故障や寿命に影響!?

 

オーディオ用真空管アンプのお話です。

 

このところのアナログレコードの人気で、
レコードプレーヤーや真空管アンプが
次第に見直されるようになりました。

そのレトロな雰囲気や音質が、特に
若い人達の人気の的になっていますね。

 

でも、CDプレーヤーやトランジスタアンプと違い、
レコードプレーヤーや真空管アンプは

やや取り扱いが面倒で、それを怠ると
故障したり寿命を縮めたりするんです。

 

今回は、
初心者向けに話題を真空管アンプに絞り、

音の魅力や使い方の注意点、
おすすめの機種について述べようと思います。




 

CONTENTS

真空管アンプはなぜ音質が良いと言われるのか?

 

 

真空管アンプはその独特のデザインや、
ほんのり光る真空管そのものに、
まず魅力を感じる方は多いですね。

 

確かにそれも間違いないことなんですが、
でもただ単にレトロブームで、

トランジスタアンプとの違いを
求めたのではないでしょう。

 

最大の魅力は、
やっぱりその優しくて温かな音を
奏でることにあると思います。

 

つまりトラジスタアンプにはない、
耳に心地良い音質が受けているのです。

 

ではどうして真空管アンプの音は、
耳に心地良いのでしょうか?

 

私達の世界では、色んな音が聞こえます。

 

自然の音や機械の音など、
あらゆる音で溢れかえっているのですが、

どんな音にも「倍音」と呼ばれる
歪を含んでいます。

 

これを、オーディオの専門用語では
「高調波歪み」と呼び、「偶数次高調波歪み」
「奇数次高調波歪み」に大別されます。

そのうち
偶数次高調波歪みは、人間の耳には快感に聞こえ、
奇数次高調波歪みは逆に不快に聞こえるんですね。

 

真空管アンプからもトランジスタアンプからも、
これら両方の歪みが発生します。

 

でも成分としては、
真空管アンプは偶数次高調波歪みが多く発生し、

対してトランジスタアンプは、
奇数次高調波歪みが多く発生するんです。

 

真空管アンプの音質が良いと言われる
ゆえんは、ここに起因するんですね。

 

ちなみに、
ミュージシャンが愛用するギターアンプは、

デジタル化が進んだこの時代でも、
真空管式が一般的に用いられます。

 

この事実、あなたはご存知でしょうか?

 

多くのギタリストは、
自分が奏でるギターの音色に
強いこだわりを持っています。

ギターテクニックを強調するために、
好んでアンプの歪みを利用するのです。

 

ギターアンプにもトランジスタ式はありますが、
真空管式の方がずっと人気なんですよ。

 

真空管アンプは取り扱いがやや面倒だが優しく使いたい

 

 

トランジスタアンプは、
半導体で小さな電気信号を増幅して、
大きな電気信号に変えます。

一方真空管アンプは、
真空管を温めて電気の流れを活発にし、
電気信号を大きく増幅します。

 

アンプが活発な働きをするために真空管は、
電球のように高温にさせる必要があります。

トランジスタより高温になるので、
なるべく本体を放熱しやすいところに
設置しないといけません。

 

うかつに手で触れると火傷や感電の危険があるし、
狭い場所に押し込むとオーバーヒートしたり、
最悪火事になる可能性もあるんですよ。

ボディをネットで覆ったモデルがあるのは、
手に触れないためと、できるだけ熱が
内部にこもらないようにとの配慮なのです。

 

さて電源スイッチの入れ方ですが、
まずは電源を入れる前に、ボリュームが
0になっていることを確認して下さい。

 

ボリュームが上がったまま電源を入れると、
過大電流がスピーカーに流れ、
スピーカーユニットを痛めてしまいます。

音声信号を受けるスピーカーユニットは、
ほとんどが紙でできているので、
寿命を縮めたり破損することもあるのです。

 

それから電源投入直後には、
CDやレコードを再生させないこと。

真空管が温まっていないのに音声信号を流すと、
まともな音が出ないばかりでなく、
真空管を痛め寿命を短くする原因になります。

 

ギターアンプには回路とスピーカーを守るため、
電源スイッチの他にスタンバイスイッチを設け、
万が一に備える機種もあるほどですからね。

電源スイッチを入れたら5分ほど待ち、
それからギターのプラグを挿し、
スタンバイスイッチをOFFにします。

その後にボリュームを0から上げ調整し、
初めてギターを弾き始めるのが鉄則。

 

オーディオコンポの真空管アンプの場合は、
これほどシビアではありませんが、

真空管が温まり回路が安定するまで、
3分ほど何もせずそのまま待ちましょう。

 

真空管が温かくなったのを確かめて、
ようやくプレーヤーをスタート、
ボリュームを上げて音楽を再生させます。

逆に電源を切る際は、再生が終了したら
ボリュームを必ず0にして
電源を切るようにして下さいね。

 

間違っても音楽再生中に、いきなり
アンプの電源を切らないように。

確実に真空管やスピーカーを痛めます。

 

また、音楽の再生を止め休憩に入っても、
電気代がもったいないからと、
そのたびに電源を切るのは避けて下さい。

なるべく完全に聴き終わるまで、
電源は入れっぱなしにした方が良いです。

 

電球や蛍光灯の電源を、
ひんぱんにON/OFFすると
寿命を縮めますよね?

これと同じことが、
真空管にも言えるのです。

 

初心者におすすめな真空管アンプ3モデルとミニコンポ

 

真空管アンプには回路の違いで、
2種類に大きく分けることができます。

左右で1本ずつ管を使う「シングル型」と、
2本ずつ使う「プッシュプル型」です。

 

プッシュプル型はボディも大きく、機種により
トランジスタ並みのパワーを出せますが、
メンテナンスに手が掛かり価格も高いです。

初心者には、あまりおすすめできません。

 

私は、小型で可愛いサブアンプ的に使える、
シングル型をおすすめしたいです。

 

パワー的に不利ですが、スピーカーを
小型のものか高能率のモデルを選べば、
音量不足に悩むことなんてありませんよ。

音圧が90dB以上のスピーカーであれば、
比較的大型のモデルでも大丈夫です。

 

ではここで、
初心者に相応しいプリメインアンプ3機種と、
ミニコンポ1機種をご紹介しましょう。

 

シンプルでとにかく可愛いのが、
「ATTOZEN BOYUU A2」です。

真空管アンプとしてかなり小さく、
デスクトップに置いても邪魔にならないし、
青いLEDのイルミネーションが綺麗です。

 

パワーは3.6W+3.6Wしかありませんが、
中低域に重心を置いた音質バランスで、
スケール感あるゆったりした音を再生します。

2種類のRCA外部入力に対応し、
例えば一方をレコード用、
もう一方をCD用として使えます。

 

ATTOZEN BOYUU A2

 

 

価格は安いのに、精悍なデザインが特徴なのが、
「Nobsound 6P1」です。

ブラックボディでパワーメーターが付くのが、
いかにもオーディオアンプっぽく、
あなたをリッチな気分にさせてくれますよ。

 

パワーは6.8W+6.8Wとちょっとパワフルですが、
音のエネルギー感としては低音域が控えめ。

その代わり高音域のクリアさが、
音の立体感を醸してくれるモデルです。

 

Nobsound 6P1

 

 

日本名ーカー製で、高い信頼性を持つのが
「TRIODE Ruby」です。

この手のアンプとして珍しいレッドカラーで、
女性が選んでも絵になるデザインです。

 

出力は3W+3Wと控えめであるものの、
ヘッドホンジャックを備えていて、
ヘッドホンでも真空管サウンドを楽しめます。

 

中国メーカーの上記2機種と違い、
作りがしっかりしているし、

納品後のメーカーサポートが充実して
安心感はとても大きいですね。

 

その分、価格は少し高め。

低音に重心があって柔らかな、
真空管アンプらしい音色が特徴です。

 

TRIODE Ruby

 

 

 

こちらは非常に珍しい、
プリアンプに真空管を使ったミニコンポ
「SANSUI SMC-500BT」です。

パワーアンプはデジタルアンプになっていて、
アナログ x デジタルの
ハイブリッドアンプモデルになっています。

 

アナログが持つ柔らかい音と、
デジタルの持つダイナミックさが融合した音は、
上級オーディオファンも一目置く存在です。

取り扱いがやや面倒なパワーアンプ部を、
デジタルアンプ化したことで、一般の
トランジスタアンプ同様の使いやすさを実現。

 

電源スイッチを入れて、音が出るまでの
時間が短いのも特徴と言えるでしょう。

 

SANSUI SMC-500BT

 

 

いかがでしたか。

真空管を使った最近のアンプは、
決して昔の製品の復刻版ではなく、
新時代の真空管コンポです。

 

ですから音質の傾向は、
レトロな優しさ・柔らかさを持ちつつ、

ノイズの少なさとダイナミックさは
現代的なオーディオコンポそのもの。

 

トランジスタアンプとは、
また違った雰囲気を味わう意味でも、

真空管コンポを仲間に加えることに
意義があると私は思っています。

 

 

 

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