サブウーファーの役目は、
スピーカーシステムの
低音不足を補うことですよね。
一般にサブウーファーは、
(ここではアンプ内蔵のパワードサブウーファー)
100Hz以下の重低音のみ再生するスピーカー。
実際に再生する音と言うのは、
人間の耳では方向が判別できない帯域のため、
1つのシステムに1台の使用で事足ります。
なので、出力側のアンプも
サブウーファー端子は、
普通はモノラル1個です。
そして、アンプによっては、
出力をプリアウト端子から取る場合があり、
これがL/R別々になっているのは当然。
ところが、サブウーファー端子も
L/R別の2個仕様のものがあるんです。
これは一体どう言うことなのか、やはり
サブウーファーもL/R別々に用意すべきか、
あなたは疑問に思いませんか?
そこで今回は、サブウーファーの
ステレオ接続2台体制に付いて、
少し詳しく考えてみたいと思います。
サブウーファー端子がL/R2個あるアンプはAVアンプに多い
サブウーファー端子が2個あるアンプの例
私は10年物のDENONのプリメインアンプで、
プリアウト端子から
ONKYOのサブウーファーにつないでいます。
プリアウト端子はL/R2つに分かれていますが、
サブウーファー入力端子はモノラル1つです。
なので、一方がL/Rの2ピンに分離し、
もう一方がモノラルの1ピンになった、
RCAケーブルを使用しています。
プリアウト端子がL/R分離しているのは、元々、
サブウーファーのために設けたものではなく、
高出力のパワーアンプにつなぐためにあります。
使っているプリメインアンプに、
サブウーファー端子が1個あるモデルなら、
両端とも1ピンのケーブルで済むんです。
私が使っているアンプはやろうと思えば、
サブウーファーを2台つなげるのですが、
そんなことは場所を取るだけムダだと思い、
やってはいません。
では、
サブウーファー端子が2個あるアンプは、
どういう意味があるのでしょう。
調べると、これはホームシアターに便利な、
AVアンプに多いことが分かりました。
表記が、例えば “5.1ch” ではなく
“5.2ch” になっているモデルですね。
そこで、実際にサブウーファーを、
2台体制で使うユーザーがいないか探しました。
すると、たまたま知り合いの人が、
そんなホームシアターを持っていたので、
聴かせてもらうことにしました。
その方は中型のサブウーファーの上に、
小型のブックシェルフスピーカーを載せ、
フロントスピーカーとして使っています。
私はまず、サブウーファーを
2台使う理由を尋ねたら、
映画のソフトで轟音が左右に響くシーンで、
リアルに体感できるからと言っていました。
さっそく、そのソフトを
用意していただくことに・・・。
映画のシーンによっては、サブウーファーのステレオ化も効果的だ!
再生した映画のそのシーンは、地鳴りが
左から右へ移動しながら響きます。
別のシーンでは、
逆に右から左へ響きます。
なるほど、今まで私は重低音の
音像移動はあり得ないと思っていましたが、
確かに動いている気がしました。
なぜ、重低音が動いて聞こえるのかは不明です。
もしかして、何か特殊なエフェクターを
使っているのかも知れませんね。
それとも、映像の視覚効果の影響で、
動いていると感じるのでしょうか。
ただ、映像なしにCDを再生すると、
音は一変します。
サブウーファーを2台使う効果が、
1台の時と比べても変わらないのです。
それよりむしろ楽曲によっては、
低音不足を感じるほどでした。
「それぞれのウーファーの振動が、
エネルギーを打ち消し合っている?」
そんな風にも感じ取れます。
また低域が歪んでいるようにも聞こえ、
全音域のバランスも良くありません。
ちなみに、
サブウーファーをOFFにしてみたところ、
スケール感は減ったものの、スッキリと
ピュアオーディオ感が蘇って来ました。
確かに映画ソフトでは迫力が増すも、
音像を再生するだけなら、
サブウーファー1台の場合と、何ら
変わることはありませんでしたね。
またスピーカーシステムの下に
サブウーファーを置くと、
どうも重低音がダブりがちです。
少しサブウーファーを離してみてはと、
アドバイスしました。
アンプのイコライザーを使うことで、
ある程度補正することはできます。
しかしそれよりも、
物理的にスピーカーシステムから離す方が、
自然な重低音を再現できるでしょう。
結論:ピュアオーディオに使うサブウーファーは1台で十分
愛用のアンプにサブウーファー端子が2個あれば、
そこにサブウーファーを2台接続することで、
1台よりもきっと音質効果があるのでは?
と、つい思ってしまいますよね。
で、ホームシアターでは私が体験した限り、
その効果を感じることができました。
近頃の映画館の構造に詳しい方の話では、
映画館では1ヶ所だけでなく、
数ヶ所にサブウーファーを設置して、
重低音の迫力を増強しているのだそうです。
でも観客は、必ずしも
館内の中央の席で鑑賞するとは限らず、
端の席で鑑賞する人もいるでしょう。
映画館で鑑賞する人達が、
平等に音響の迫力を体感するには、
複数のサブウーファーが必要です。
ホームシアターで、2台の
サブウーファーをステレオ接続するのは、
この流れから来ているのではないかと・・・。
ところで少し話は変わりますが、
サブウーファーをを1台で稼働するなら、
どこに配置するのが音響的に理想か、
あなたはお分かりですか?
冒頭で少し触れたように、
重低音域を再生するサブウーファーの音を、
人間の耳で方向を聞き取るのは困難です。
なので、
コンポのどこに置いても支障はないですが、
厳密に言えば音を聴く位置によっては、
多少の音の偏りを感じることがあります。
それを考慮すると、左右のスピーカーの
中央に置くのが理想だと思います。
でも中央にはオーディオラックや、
機器が幅を利かせているので、
そこは難しいかも知れませんね。
どうしても左か右になってしまう場合は、
右寄りの位置に置くのが良さそうです。
なぜかと言えばポピュラー系の音源は、
古い録音でもベースは
左右均等に録音されて良いです。
しかしジャズやクラシックの古い音源は、
右側に偏って録音されたものが多いのです。
できるだけ録音に近い楽器の配置で聴くなら、
右側にサブウーファーを持って来た方が、
自然に聞こえると言う訳なんですね。
細かいことですが、あなたが
少しでも音場にこだわる人でしたら、
右側に置くことをおすすめしましょう。
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