若い人達を中心に最近はレコードが見直され、
レコードプレーヤーの人気が高まりつつあります。
デジタル音源の音に慣れ切った方々の耳に、
アナログ音源の音が新鮮に映るのでしょう。
同時に音を増幅するアンプにも、
レトロ感覚が波及して来ており、
真空管を使ったアンプが注目されています。
ベテランオーディオファンなら、
その懐かしいサウンドに耳を傾けそうですが、
若い初心者にはその武骨なデザインと、
ほのかに光る真空管に目が行っているのです。
真空管アンプはトランジスタアンプに比べ、
少し扱い方に注意が必要ですが、
昔のものと違い最近のそれは、
手軽に使えるものが多くなっています。
今回はその中で、初心者でも手軽に買える
「ATTOZEN BOYUU A2」に迫り、
ユーザーレビューで探ってみようと思います。
ATTOZEN BOYUU A2の特徴
BOYUU A2の回路は、
真空管を左右1本ずつ使うシングルタイプで、
幅が220㎜・奥行きが188mmの
とても小型のプリメインアンプです。
オーディオラックに “ポン” と置くと
存在感が薄いのですが、
パソコンと並んでデスク上に置くには
ちょうど良い大きさなんですね。
スイッチを入れると小さく真空管が光り、
ベースにはブルーのイルミネーションが灯って、
見た目にオシャレな演出がなされています。
使用する真空管は一般に良く使われる、
【12AX7】が1本と【6P14/EL84】が2本で、
劣化して交換が必要になっても、
手に入りやすい仕様です。
定格出力は、3.6W+3.6W(8Ω)。
同程度のトランジスタアンプと比べて、
かなり少ない印象がありますが、
これでもシングル真空管アンプとしては
パワーのある方に入るでしょう。
最近のスピーカーは音圧レベルが低いですが、
机にのる程度の小さなものなら、
音量不足を感じることはないと思います。
もし大きなフロア型スピーカーを鳴らすなら、
90dB(デシベル)以上のものを選べば大丈夫です。
一般に真空管アンプは柔らかく、
温かな音がすると言われます。
確かに、トランジスタが登場する
以前は多くがその傾向にありましたが、
現在の真空管アンプは、意外にも
トランジスタ式に似た音質なんですよ。
さすがに、デジタルアンプのような
冷たさはありませんが、それでも
昔のものとは印象が違うのは確かです。
ただ小さいのに、一生懸命
音を出そうとする感じが目で分かるので、
見ていて気持ちが良くなりますね。
入力はRCAのアナログの二系統で、
デジタル音源を入力するには、
アンプに接続する前にDACが必要です。
レコードプレーヤーとつなぎたいなら、
フォノイコライザー内蔵モデルを選ぶか、
単体イコライザーを介する必要があります。
ちなみに、このアンプは
8Ωと4Ωのスピーカーに対応、
背面にあるスピーカー端子で
それを選択する仕様になっています。
スピーカーは一系統のみなのに、
スピーカー端子が6つあるのはそのためです。
(なお、6Ωスピーカーも使うことも可能)
また端子は、バナナプラグに対応しています。
ではここで、本機の
イメージ動画を見つけました。
どうぞご覧下さい。
協力 オーディオファイルさん
実際の音質は確認できませんが、なかなか
良い雰囲気で鳴っていると思いませんか?
次にすでに愛用している、ユーザーの
皆さんのレビューを集めました。
これらを見ていただいた後で、
私が本機を評価してみましょう。
ATTOZEN BOYUU A2のユーザーレビュー
★「コスパはすごいと思う。真空管は替えてみたが、そのままでも十分だった。3.6Wだが4Ω接続、6Ωフルレンジ(PARC Audio DCU-F131W)で、十分な音量を得られた。使われている真空管も一般的な安価なものなので、簡単にいろいろなグレードの物が手に入る。耳の良い人は、玉転がしも楽しいかと。」
★「ラジオである落語家が、真空管アンプの魅力を語っていたことに刺激され?この製品に辿り着いた。主にレコードプレーヤーを接続すると、とても相性が良い。よく言われるCDの乾いた音よりもレコード本来の優しい音が、真空管アンプを通じて柔らかな音源になり癒される。このアンプは、癒し効果には最適な一品だと思う。」
★「デザイン良し、アンプとしても価格から考えたら優秀だ!星1つ減らしたのは、クオリティ(仕上げ)の部分・・・。私の物がたまたまだと思うが、アンプのフェイスパネルと側面のウッドパネルに、施工時に付いた様な傷が。相談すると二重チェックしているから、あり得ないとの回答だった。傷さえ無ければ大満足だ。」
★「使い方も直ぐにわかり、シンプルなアンプ。エレキットの6BM8使用のアンプより、ハイもローも出ている感じだ。」
ATTOZEN BOYUU A2の評価
中国には多くのアンプメーカーが存在します。
ATTOZENもその1つですね。
その中でもBOYUU A2は、価格が安いこともあり、
日本でも評判の製品になっています。
パッと見の安っぽさがなく、
部屋の灯りを消してから電源を入れると、
ムーディーな雰囲気をかもし出します。
出力は3.6W+3.6W(8Ω)ですから、
トランジスタアンプと比べりゃ、
アンダーパワーなのは確かででしょう。
しかし、そもそも片チャンネル、
2本真空管を使うプッシュプル方式とは違い、
1本使うシングル方式なら標準的なもの。
他のモデルでは、1W+1Wの
パワーアンプだって存在するんです。
なので、昔からスピーカーも大型モデルは、
音圧が90dBを超えるものが多いんですね。
片チャンネル3.6Wの本機でも、
アルテックやJBLの大型モデルを
十分鳴らすことができますよ。
音質に関しては、デジタルアンプとは
かなり傾向が違っています。
前項のレビューにない別のユーザーの方は、
JBL A120とつないでみたら高域が伸び、
中音も心地良く低音も響きが良くなった
と述べています。
ピアノの低音が “ズシン” とは行かなくても、
“ズン” と来るところが、
持っているデジタルアンプと違うのだとか。
また音量を小さく絞っても
聴きやすいと言う点も、
本機の強みとなっていますね。
弱点を探すと、
細かい部分の仕上げがイマイチで、
ツマミなんかは安っぽい感じです。
耐久性も高いかどうかは、
使いこなしてみないと不明です。
しかし、3万円少々のプリメインアンプで、
本格的に真空管の音が味わえるのは魅力的で、
難しい操作も必要はありません。
上級者のサブアンプとして、そして
初心者おすすめの真空管アンプに相応しい、
お手軽モデルと言えるでしょう。
※この商品は、現在販売されておりません
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