『オーディオテクニカ サウンドバーガー AT-SB727』レビュー:音質や使い勝手はレコードプレーヤーとしてどうなの?

 

現代はワイヤレスポータブルオーディオが主流ですが、一方で、わざわざ手間を掛けて音を楽しむオーディオアイテムが復活しつつあります。

それはアナログレコードですね。

 

しかしこれを再生するとなると、結構設置する場所を取ってしまう、レコードプレーヤーが必要となります。

コンポは全体的にコンパクトモデルが人気なのに、レコードプレーヤーばかりが大きいのでは、違和感を覚えるオーディオファンもいることでしょう。

 

ところが普段は棚の隅に置いといて、必要な時だけ取り出しレコード盤を再生できる、こんなポータブルレコードプレーヤーが登場しました。

それはオーディオテクニカが販売する、「サウンドバーガー AT-SB727」です。

 

 

本格的なオーディオシステムは持っていないけど、アナログレコードに興味を持つオーディオファンなら、バッテリー駆動でワイヤレス再生する本機が気になって来るのでは?

と言う訳で今回は、このサウンドバーガー AT-SB727に付いて、音質や使い勝手を深掘りし、ユーザーレビューも交えて評価してみましょう。




 

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サウンドバーガー AT-SB727は手軽に操作できるものの音は本格的

 

 

サウンドバーガー AT-SB727は、ポーターブルレコードプレーヤーとして、ちょっとレトロな感じで目を引きますね。

細長い本体からアームを引き出し、レコードを上下ではさむ形になっていて、動く姿を見ているだけでも楽しくなりそうです。

 

本機を使って音を再生する方法は、2つ。

Bluetoothを介して、ボリュームコントロールできるワイヤレスヘッドホン(イヤホン)や、ワイヤレススピーカーに送って再生する方法。

そしてミニジャック外部出力があるので、これに付属のケーブルを用いて、アンプの外部入力と有線でつないで再生する方法です。

フォノイコライザーは内蔵しており、フォノ入力のないミニコンポともつなげますよ。

電源は、リチウムバッテリーを使った充電式。

12時間充電して最大12時間駆動するので、ワイヤレス機器との接続なら、コンポのない部屋でも楽しむことができますね。

 

ベルトドライブ方式の本機は、回転数を33回転と45回転に切り替えることができ、シングル盤だけでなくLP盤も問題なく再生。

アームは自分の手でレコードに針を置いて、演奏が終了したらまた戻す操作方式です。

 

優しくアームを動かせさえすれば特に操作は難しくないので、オーディオコンポに詳しくないユーザーでも、手軽にレコード鑑賞ができますよ。

ただし、針を置く時と上げる時はそっと行わないと、レコードを傷付ける恐れがあるので、それだけは注意しないといけません。

実際の操作を動画で見れますのでご覧下さい。

 


協力 sekisetsukajuuさん

 

一般のレコードプレーヤーなら、最初のセッティング時に、アンチスケーティング調整や針圧調整が必要なんですが、本機にはそれがなく楽です。

その代わり、アームとカートリッジが一体化しているため、カートリッジを交換して、音の変化を楽しむことは不可能。

とは言え、オーディオテクニカは本来カートリッジメーカーです。

 

同社の高性能VM型カートリッジを装着しており、決して安いだけのプレーヤーとは音質が違います。

実際どんな音を再生するのか、雰囲気だけですが、あるユーザーの動画で感じ取っていただきましょう。

 


協力 よつむチャンネルさん

 

まあ、YouTube上の動画なので、実際の音質を確かめられるものではありません。

ですが、スピーカー内蔵一体型レコードプレーヤーとは、音のレベルが違うことを、感じ取ってもらえたのではないでしょうか?

 

サウンドバーガー AT-SB727は ’80年代初頭に販売されたモデルの復刻版

 

 

サウンドバーガー AT-SB727は、実は、今回初めて登場したレコードプレーヤーではなく、1980年代初頭に販売されていたモデルの復刻版なんです。

デザインも当時と同じままで、品番もAT-727とほぼ同じ。

 

違うところは、Bluetoothなど当時はなかったので、代わりにヘッドホン端子を装備し、ヘッドホンも付属していました。

電源も充電式バッテリーではなく、単二乾電池を3本使用しました。

 

初代サウンドバーガー AT-727 (写真協力:オーディオテクニカ)

 

これでAT-SB727と同等の12時間駆動できたのですが、乾電池は使い捨てなので、あまりエコではありませんでしたね。

当時もフォノイコライザーを搭載していて、付属のケーブルを使って、オーディオコンポとつなぐことができた点は同じです。

 

ワイヤレスはできなくても、ポータブルでどこでもレコードを楽しめた点は、両機とも共通していた訳ですね。

その後サウンドバーガーは、一旦製造をやめてしまったのですが、ポータブルオーディオが主流となった現代、アナログレコードの再浮上とともに返り咲いたのです。

 

では最新のサウンドバーガー AT-SB727の、実際の音質や使い勝手とは一体どんなものでしょうか?

いくつかユーザーレビューをピックアップしましたので、次の頁でご覧いただきたいと思います。

 

サウンドバーガー AT-SB727のユーザーレビュー

 

★「ポップなデザインに魅かれて購入した。レコードをかけたところ、思ったように音質が良くて満足している。Bluetooth機能もあるみたいなので後日、車とかで聴けるか試したい。レコードを聴くのが楽しみになって来た一品だ。」

★「限定復刻盤が買えず、転売ヤーからは買いたく無いし、完全受注生産で再販して欲しいってカスタマーに連絡するぐらい欲しかったので、すぐに買った。使い勝手は悪いし、音は軽いし、でもこの感じが最高だ。いつかバーベキューとかキャンプにも連れ出してみたい。」

★「アナバスオーディオのポータブルもなかなか良いが、こちらの方がナチュラルな音質に感じた。カートリッジが他のポータブルと違いオーディオテクニカの物なので、アナバスとこのサウンドバーガーは、ポータブルらしからぬ音が売りなんだと思う。ヘッドホンはBluetoothがメインの様だが、クセの無い音質。ヘッドホン端子はないが外部出力があるので、自分はポータブルアンプを経由し有線ヘッドホンで楽しんでいる。外部出力アンプの有線接続は力強さがプラスされた音質だ。」

★「場所を取らずに聴きたい時に、食卓テーブルに出して使っている。スピーカーはアレクサと接続。簡単に繋がった。」

 

サウンドバーガー AT-SB727の評価・まとめ

 

 

ここからは以上の既述を踏まえて、私がサウンドバーガー AT-SB727の評価をして、まとめてみましょう。

一言で述べるなら、このポータブルオーディオ全盛時代に、良くよみがえってくれた、なかなか面白いオーディオプレーヤーだと思います。

 

初代AT-727が登場した時代は、カセットウォークマンが発売され、これが人気になっていました。

これに対抗して、レコードを使ったウォークマン的プレーヤーを開発しようと発想のもと、開発されたのだと想像できます。

しかし、この頃にレコードの強敵CDが登場し、レコード市場そのものが奪われたことで、残念ながら製造中止に至ったのでしょう。

 

時代は変わり、現代は特に若者を中心に、CDよりレコードの方に興味を持つようになり、新譜も続々発売されるほどになりました。

そこでポータブルオーディオに必須な、Bluetoothと充電バッテリーを搭載して、この時代に合ったレコードプレーヤーになって復活した訳ですね。

 

ただ、手軽に使える代わりにカートリッジは交換できないし、本体が細長くデスク等に本体を置いた時の安定性も良いとは言えません。

そもそもプラッター(ターンテーブル)そのものが、レコード盤より小さいのに、針がちゃんとレコードの溝をトレースできるのか、心配になって来ますよね?

AT-LP120XBT-USB

 

でも、そんなことを気にするくらいなら、本機を選ぶのではなく、上級モデルとなるAT-LP120XBT-USBの方を選ぶべきでしょう。

こちらはDD(ダイレクトドライブ)方式の、本格的レコードプレーヤーで、カートリッジ交換もできるし安定性も良く、より高音質にレコードを鑑賞できます。

Bluetoothだって搭載しているし、USB出力もできてコスパが高いです。

 

ですが、細かいことはこだわらないから、普段は棚にしまっておいて、聴きたい時にサッと取り出しレコードを聴きたいユーザーも多いはず。

AT-SB727はそんなレコードファンに相応しい、ポータブルプレーヤーなのです。

アームリフターやオートリターンなど、便利な機能は何も装備されてはいないですが、オーディオコンポの仲間として、十分な音質を提供するモデルなのは違いありません。

押し入れに、かつて集めたレコードを眠らせているオーディオファンが、こっそりアナログサウンドに酔いしれる用途にも、AT-SB727は活躍するのではないでしょうか?

 

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