JBLのスピーカーシステムと言えば、ブックシェルフ型でも大きなシステムを想像しますが、一方、業務用として小型のプロフェッショナルモデルも展開しています。
それがControlシリーズです。
その中で、家庭でもメインで使えるControl5があり人気でしたが、日本では20年ほど前に販売が中止されていました。
そのControl5がこのたびブラッシュアップして復活、「PROFESSIONAL Control 5-Y3」と呼び名を変え、購入できるようになりました。
ブックシェルフ型として使いやすい本機は、JBLファンなら見逃せない存在ですよね?
今回は本機Control 5-Y3の魅力はどこにあるのか、ユーザーレビューを交えて音質を検証、そして評価してみましょう。
JBL PROFESSIONAL Control 5-Y3はブラケットを使い壁掛けが可能
Control 5-Y3は、業務用として使用することを前提に開発されたモデルで、本体が丈夫に作られています。
ボディに一般的な木材ではなくPP(ポリプロピレン)が使われ、前面のスピーカーネットも金属製となり、衝撃にも強くなっています。
プラスチック製とは言え安っぽい作りではなく、重量も5.4㎏とそこそこの重さがあり、箱鳴りの心配はありません。
本体は16.5㎝口径のウーファーと、2.5㎝のツイーターの2ウェイバスレフ構造です。
JBLスピーカーのツイーターは、ホーン型を搭載しているモデルが多いのですが、本機はドーム型を採用して優しいイメージです。
音圧は89dB・インピーダンスは4Ωですから、高出力アンプを使わなくてもパワーは十分で、音量不足になることはないでしょう。
音質は、ユニットの大きさの割にエンクロージャー(ボディ)が大きく、またバスレフ構造を取っているだけあり、低域が力強く感じられるもの。
中高域も押し出し感が強いですが、ドーム型ユニットのためかキツさはありません。
本機の特徴として見逃せないのは、オプションの壁掛けブラケットの使用で、壁への取り付けが可能なことです。
ただ、前述のように本体重量が1本5.4㎏あるので、ブラケットをしっかり壁に固定する必要があるでしょう。
オーディオコンポの一員として家庭で使うのであれば、しっかりした台の上に設置することで、本機の持つポテンシャルを十分発揮できます。
ではここで、あるユーザーが本機を使い撮影録音した映像をご覧いただきましょう。
これで、実際の音質が分かるものではありませんが、音の傾向や雰囲気は感じ取れることと思います。
協力 TourbillonCafeさん
いかがですが。
全域に渡り、元気な音で鳴るスピーカーだと言うのがお分かりでしょう。
少しライブよりな音であることも感じ取れたでしょうか。
次に、Control 5-Y3を愛用するユーザーの皆さんは、本機にどんな感想を持っているでしょう?
いくつかレビューを集めましたので、次頁で確かめてみて下さい。
PROFESSIONAL Control 5-Y3のユーザーレビュー
★「音が飛び出してくる元気の良さが印象的で、まるで音楽の玉手箱をあけたようだ。解像度の高さはこの価格帯で特筆すべき点で、JBLのモニタースピーカーと言った感じだ。しかしながら音楽の熱気やクールさ等、色合いもちゃんと表現出来るスピーカーで、ただのモニタースピーカーとは一線を画す。やや高域(シンバル)に緊張感があるが刺さることはないので、これぐらいならちょうど良いくらいだ。」
★「昨年(2021)の7月に買って50年代のジャズばかり聴いていたが、徐々に低音が出る様になってからは昔のフュージョン系をあらためて買ったり、新しいところはAmazon musicで聴くようになった。このSPは変な音作りにこだわらずストレートな音で、コスパはとても凄いと思う。CDによっては高音が暴れるかもしれないが、絞ればライブな感じがして充分にメインになっている。お金を貯めて次もJBLにしようと思う。」
★「このJBLパッシブ2ウェイスピーカーは、確かに中高音域はボーカル音が歪なく綺麗に聞こえる。然しながら、説明では重低音で低音域も良いと明記してはいるが、何だか市販のミニコンポのスピーカーとさほど変わらないものだ。元々のミュージックCDの収録音声にも依ると思うが、低音域帯は中高音域帯にかなり負けている感じ。多分このスピーカーは初心者入門向けと判断した。」
★「80年代に使っていたものとは少し変わっているものの、遜色なく懐かしい気持ちで購入させてもらった。中高音域から低音域もスムーズにつながり、歪みやシャリッとした感じもせずリアルで繊細な音が聞こえるのがポイントだ。大き目の音にすると6.5インチのドライバーのウーファーが活躍。力強く迫力のある低音で、ジャズのアクセントが非常にいい感じだ。」
PROFESSIONAL Control 5-Y3の評価
ここからは以上の情報を踏まえて、私がControl 5-Y3の評価をしてみましょう。
本機は業務用スピーカーとしてラインナップしていますが、鳴り方そのものは、家庭用のものと違いがある訳ではありません。
JBLのスピーカーらしく、低音から高音まで押し出しが強く明るく元気な音。
低音は押し出しが強いとは言え、ボンボン量感で迫るのではなく、中高音とバランスの取れた鳴り方です。
全域に渡りドンシャリ感は抑えられ、変なクセもありません。
JBLブランドとして、価格が安いのも魅力ですね。
JBLには小型ブックシェルフ型で、13.3㎝ウーファーを搭載した4312MⅡがあります。
このモデルも本機と似たような音質ですが、エンクロージャーの容積とウーファーの口径が大きい分、Control 5-Y3の方がスケール感が大きく迫力があります。
4312MⅡの方は、ややこじんまりとした感じです。
本機はプラスチック製で違和感もありますが、家庭で使ってもジャズやポップス系が好きな方なら、すんなり受け入れられるのではないでしょうか。
1つ残念なことは、スピーカー端子が80年代のモデルに多かった、プッシュ式のままになっていること。
簡単にスピーカーケーブルをつなぐことが可能ですが、太いケーブルだと端子の穴に差し込みにくいのです。
当時のものをブラッシュアップしたと言うのなら、ここはバナナプラグ対応にして欲しかったですね。
極太ケーブルを使わないユーザーなら気にしないでしょうが、オーディオ上級者には不満が残る部分かも知れません。
細かいことを気にせず、少ない予算でJBLサウンドを堪能したい、ライトユーザーにおすすめのモデルと言えるでしょう。
または
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