『デジタルアンプとアナログアンプは何が違うの?』音質や特徴が知りたい(初心者向け)

 

オーディオコンポを組もうと思っているが、アンプはいったいどれを選んだら良いか悩んでいる、初心者の方もいらっしゃることでしょう。

プリメインアンプにすることは決めていても、デジタル式とアナログ式があって、どっちを選ぶべきか分からないこともありますからね。

 

デジタルの方が新時代のモデルだとは想像が付くでしょうが、販売店にはアナログアンプもたくさん並んでいて、踏ん切りが付かないこともあると思います。

そこで今回は、「デジタルアンプとアナログアンプでは何が違うのか?」比較し、それぞれの音質や特徴を分かりやすく解説したいと思います。




 

CONTENTS

アナログアンプの特徴とは?

 

 

 

アナログ式のプリメインアンプは、初心者の方でもイメージしやすいことでしょう。

LとRが分かれたオーディオケーブル(LINEケーブル・RCAケーブルとも呼ぶ)を使い、CD・レコードプレーヤーをアンプへつなぐタイプのものです。

 

このケーブルを伝って行く音声信号はアナログですから、アンプへはLINE入力端子(RCA入力端子)やフォノ入力端子へつなぎます。

信号はそのまま内部のプリアンプへ送られ、ここで音を整えます。

 

トーンコントロールやボリューム、入力ソースの切り替えを行うのもプリアンプです。

プリアンプから出るパワーは小さく、ヘッドホンを鳴らす程の出力しかないので、スピーカーを鳴らすためのパワーを得るために、今度はパワーアンプへと信号を送ります。

良く、出力が50Wや100Wのアンプとか言いますが、これはパワーアンプで得るもの。

 

次にパワーを得た信号が、スピーカー端子よりスピーカーケーブルを伝って、スピーカーシステムに送られます。

こうして、初めてスピーカーから音を出すことができるのです。

 

ちなみにアナログアンプには、A級・AB級・B級と言うクラス分けがなされています。

これは、それぞれしくみが異なることで音質が違うのですが、”単純” に言えばA級アンプが最も高音質です。

しかし電気効率が悪く、本体から高熱が発せられ電気も良く食いますし、その割に出力が低く小音量時は良いのですが、大音量での再生時はあまり音が良くありません。

 

出力が大きく大音量が出せて、その時の音質が良いのがB級アンプです。

発熱量も少ないしエコなので、A級に比べれば電気代は安く上がります。

ただ小音量時の音質は、やはりA級にはかないません。

 

そこで登場したのが、小音量時にはA級アンプとして動作し、音量を上げるとB級に切り替わる構造にしたAB級アンプです。

A級とB級の良いとこ取りをしているので、最も優れたアンプに思いますが、A級アンプと一緒で本体価格がかなり高いのが欠点となります。

プリメインアンプであっても、A級もAB級も50万円以上するのが普通です。

 

現在最も普及しているアナログアンプは、B級モデル。

究極に言えば、音質的にA級やAB級には及びませんが、トランジスタや電源部の改良などで新型ほど良くなっており、何と言っても数万円から買えるのが魅力と言えるでしょう。

 

デジタルアンプの特徴とは?

デジタル式のプリメインアンプは、入力する音声信号がデジタル信号であることが、アナログ式と違うところです。

デジタル信号は、アナログ信号よりひずみが少なく解像度が高いので、よりリアルな音質が得られるメリットを生かすために誕生したのが、デジタルアンプと言う訳です。

 

デジタルアンプは入力端子に、同軸デジタル端子や光デジタル端子があり、またUSB端子が備えられたものもあります。

ですからCDプレーヤーとは、同軸や光デジタル端子同士でつなぐことが可能です。

デジタルアンプはパソコンとも直接つなぐことができ、USB端子付きのアンプならば、非常に簡単に接続することができますね。

 

デジタル信号が入力されると、デジタルで構成されたプリ・パワーアンプで、スピーカーを鳴らすまでの大きな信号に増幅します。

デジタルアンプは電気効率が非常に良く、小さな電力で大きなパワーを得られるのが特徴です。

そのため発熱量も少なく、構造も単純なのでボディを小型化でき、製品もアナログアンプより安いものが多いです。

 

このように、デジタル信号のまま増幅するアンプをD級アンプと呼び、A・AB・B級アンプとクラス分けしています。

ただしスピーカーは、デジタル信号のままでは音を再生できません。

必ず、アナログ信号を送ってやらないといけないのです。

 

ですからデジタルアンプは、最後の最後でADC(アナログ・デジタルコンバーター)を使い、デジタル信号をアナログ信号に変換してスピーカーに送ります。

なのでアンプ本体のリアパネルを見ると、アナログアンプもデジタルアンプも、同じスピーカー端子が装備されているのです。

 

 

 

デジタルアンプとフルデジタルアンプとの違い

 

 

以上の説明で、アナログアンプとデジタルアンプの、大まかな違いがお分かりになったと思います。

ところで同じデジタルアンプでも、「フルデジタルアンプ」と呼ばれるものと、普通に「デジタルアンプ」と呼ばれるものがあるのを、あなたはご存知でしょうか?

 

どういうことかと言えば、デジタルアンプの中には、実は構成の一部がアナログになっているアンプがあるんです。

フルデジタルアンプと呼ばれるのは、前項で述べたように信号の入力から増幅までデジタルで行い、最後にアナログ変換してスピーカーへ信号を送るアンプのことです。

 

その具体的な機種の例をご紹介しましょう。

DENONの人気の製品で、PMA-60がフルデジタルアンプに当たります。

 

 

入力から増幅までデジタルのまま信号を増幅するため、小さな電力で大きなパワーを得ることができ、ボディは手のひらサイズで重量も軽いです。

発熱が少ないメリット生かして、横だけでなく縦にも置けるんですね。

このため広い設置場所が不要であり、パソコンと並べて、デスクトップ上に置くことが可能です。

 

では、フルデジタルアンプでないデジタルアンプとは、どんなものを言うのでしょうか?

DENONの製品で言えば、PMA-800NEが該当するでしょう。

 

この製品は一般のアナログアンプと同じように、プリ・パワーアンプがアナログで構成されています。

ですが入力端子に、同軸デジタル1系統と光デジタル3系統を搭載しています。

ですから、CDプレーヤーから直接デジタル入力できるんですね。

 

デジタルで入力したのに、なぜアナログアンプで増幅できるのかと言うと、実は本体に、アナログに変換するDAC(デジタル・アナログコンバーター)を内蔵しているんです。

デジタル入力できることでパソコンとも接続可能で、PMA-60同様、ハイレゾ音源を再生できるメリットが生じます。

 

ハイレゾ音源はアンプがアナログであっても、ハイレゾ音域までカバーするモデルなら再生可能です。

なので基本はアナログアンプであっても、デジタル入力端子を持つのは有効と言えます。

 

厳密に区分すればPMA-800NEはデジタルアンプとは呼べないハズが、メーカーの販売戦力のためなのか、このような構成のアンプもデジタルの “冠” を付けているのでしょう。

このようなアンプと区別するために、入力から増幅まで全てデジタル構成のアンプは、わざわざ「フルデジタルアンプ」と呼んでいるのです。

 

デジタルアンプとアナログアンプでは、音質はどう違いどっちが良いのか?

 

 

ではデジタルアンプとアナログアンプでは、音質はどのように違うのでしょうか?

デジタルにしろアナログにしろ、それぞれ製品には個性があるので違いを一概に決めつけられませんが、一般的に言われる音の特徴を述べてみましょう。

 

アナログアンプは、比較的柔らかめの音質と言えると思います。

特にトランジスタより、真空管を使ったモデルにその傾向が強く、良く言えば優しく悪く言えばあいまいな感じで音を奏でます。

 

人によっては、ボーカルが艶っぽくリアルに聞こえると評します。

長時間聴き続けても疲れないのも、アナログアンプの特徴でもあります。

 

対してデジタルアンプは非常に音が細く、繊細な音と言われます。

全体的に硬調であり、冷たい音と表現する人も多いですね。

解像度が高く真面目で、正確な音とも言えるでしょう。

 

過去のオーディオの音を知らない初心者の方は、解像度の高さに感動して、デジタルアンプの方を好む場合が多いかも知れません。

長年オーディオを趣味として来た方なら、アナログの音に慣れていることもあり、デジタルの音はつまらないと決め付けることもあります。

 

結論として、デジタルとアナログでは、どちらが良い音と言えるでしょうか?

残念ながら、これは決着を付けることはできないでしょう。

どちらが正確な音かと問われれば、デジタルではないかと私は思いますが、どちらが良い音かと訊かれると人によって好みが違うので、白黒付けられないのです。

 

それならばと言うことで、次にデジタルとアナログの音を、聴き比べてみましょう。

あるスピーカーメーカーが作った動画なんですが、同じプレーヤーとスピーカーを使い、アンプだけ交換して比較したものです。

 

1つはアキュフェーズのセパレート型アナログアンプで、価格が100万円。

もう1つは、FX-AUDIO-のFX202Jデジタルアンプで、価格はたったの6000円です。

これほど価格差のあるアンプでどう音が違うのか、確かめてみて下さい。

 



協力 Audiophile music Z-Soundさん

 

いかがでしょうか。

YouTubeによる動画なので、分かり辛かったかも知れませんが、意外にもさほど音質差を感じなかったのではないでしょうか?

 

そう、人により多少感じ方は違うでしょうが、デジタルアンプはコスパが非常に高く、高額なアナログアンプに引けを取らない実力を持っているのです。

デジタルとアナログではどっちが良い音かと言うよりも、安価なデジタルアンプの音は高価なアナログアンプの音に肉薄していると言えますね。

とは言ってもそれは本当なのか、あなたはにわかに信じられないかも知れません。

 

ならば本格的にプリメインアンプを購入する前に、格安のデジタルアンプを購入して、音質を確かめてみると良いでしょう。

中国製で人気のデジタルアンプLepy LP-2024A+なら、小遣い程度の値段で買えるのでおすすめです。

 

 

このアンプで試してみて気に入ったら、次に本格的なデジタルアンプの購入を検討してみて下さい。

もしもデジタルアンプの音が好みに合わなかったら、その時はアナログアンプに食指を動かしてみましょう。

いずれにしろアンプはスピーカーと違い、1度購入したら当分買い替えないコンポなので、十分に検討した上で選ぶべきだと思います。

 

 

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