『DENON SC-A37』レビュー:壁掛け可能な小型ブックシェルフスピーカーを評価!

 

日本ではスペース性を考えて
本格的なオーディオスピーカーでも、
ごく小型のモデルが人気です。

ですがやはり大型のものと比べ、
迫力は劣りますよね。

 

そこで小型であることの弱点を補おうと
パフォーマンス重視のモデルが主流。

そんな中でも流れに逆らい、ひたすら
正統的に作られたものも存在します。

 

その1つが「DENON SC-A37」

 

今回はSC-A37の持つ独自の魅力に迫って、
ユーザーレビューを基に評価してみましょう。




 

DENON SC-A37はそもそもは壁掛けもできるサラウンド用スピーカーだ

 

 

SC-A37はウーファーの大きさが10㎝、
ツイーターが2㎝の2ウェイスピーカー。

サイズは幅14.8x高さ23.9x奥行き13.8㎝で、
本当の意味でのブックシェルフ型モデルです。

 

このクラスのスピーカーは
小型であることのハンディを少しでも補おうと、
エンクロージャーに色んな工夫をするものです。

しかし本機は、特に際立った
パフォーマンス的なものはありません。

 

幅より奥行きを深く取るモデルが多い中
本機はむしろ奥を短く薄めのデザインとし、

しかもバスレフポートが存在しない
密閉型構造を採用しているんですね。

 

本機がこの構造とした理由は、
元々シアタースピーカー37シリーズの

サラウンド用リアスピーカーとして
設計されたことにあります。

 

薄型にしてフック取付金具を付け
壁掛けを容易な構造とし、

また密閉型にすることで壁への
余分な反響を少なくしているのです。

 

このような仕様のスピーカーを
メインスピーカーとして使ったとしたら、
どんな感じに鳴るのでしょうか。

普通に考えれば低音の量感が少なく、
スケール感の乏しい音質になってしまうと
想像してしまうでしょう。

 

でも本機はD.D.L.と呼ばれる技術を
ウーファーに採用し、

コーンに異なる素材を組み合わせて
正確なピストンの動きを実現。

 

またツイーターは刺激音の少ない
ソフトドーム型としているものの、

再生帯域が60kHzまであり、
ハイレゾ再生に対応させています。

 

一方、エンクロージャーは
しっかりと丈夫に作られており、
高級感を漂わせる仕上げをしています。

このごく小型の密閉型スピーカーは、
一体どんな音を奏でるのでしょうか?

 

既に愛用している
ユーザーの皆さんのレビューを集めたので、
確かめていただきたいと思います。

 

DENON SC-A37のユーザーレビュー

 

★「一見するとサラウンド専用のスモールスピーカーという印象であるが、実際の出音を聴いてみるとなかなかどうして、その筐体のサイズを感じさせないスケールと立体感など、フロントでも十分使えるレベルの音を出しているのには驚いた。本モデルは筐体もしっかり作られているので、音の解像度や周波数特性などの難しいことを抜きにして、ただ気軽に良い音を楽しみたいと思っているユーザー層にとっては、BGMからハイレゾまで使える良質な小型スピーカーとしてオススメできる一品である。」

★「14年ほど前に5.1chホームシアターのセットで買ったデノンのスピーカーがすごく良かったので、また久しぶりに買ってみたが、迫力があってセリフが聴き取りやすいし素晴らしいと思う。」

★「本機はあくまで天井やサラウンドスピーカーに用いるもので、これ単体でステレオを組もうと考えるのはコストパフォーマンスが悪い。エンクロージャーもコーン径に対して小さく、加えて密閉型のため、低域の再現能力は求めるべくもない。が、小さいながらもカッチリとしたエンクロージャーで固めているため、硬質でハキハキしたサウンドを聴かせてくれる。また密閉型のため壁からのの距離に影響されにくく、バスレフポートの取り扱いに困ることはない。推奨はしないが、極論、本当に名の通りブックシェルフの中に入れてしまった場合でも音質の変化は少ない。表面処理も滑らかで木材ながら傷も付きにくく、サランネットもボーンが多くがっしりした作りになっている。」

★「ロックを中心に聴いているが、なかなかどうして澄み切った音で迫力があり満足している。コンパクトな大きさで場所も取らず、2台目のコンポとして十分満足いけるものだった。」

 

DENON SC-A37の評価

 

SC-A37を実際に見てみると、
作りも良く見栄えがするもの。

単なるミニスピーカーではなく、より大きな
高級モデルを縮小したスピーカーに感じます。

 

確かにホームシアターのサラウンド用
リアスピーカーと言う生い立ちですが、

本機をメインのコンポの組み合わせでも
何ら不自然なことはないでしょう。

 

ただ、やはりサイズが小さいことで、
メインスピーカーだからと
ガンガン鳴らすには無理があります。

 

なのでサブコンポシステムとして、小型の
デジタルアンプと一対で組み合わせれば、

定位が良く心地良いスピーカーとして
生きて来るのではないかと思います。

 

エンクロージャーの大きさからして
十分な量の低音は望めないものの、

かと言ってサブウーファーを追加してまで、
低音域を補う必要はないと感じます。

 

サブウーファーを入れると、
高音のきらびやかな音が
引っ込んでしまう気がするのです。

また壁に掛けその壁をバッフル板とすれば、
高低のバランスがちょうど良くなって
より聴きやすくなるか知れません。

 

音を正確に再現する能力は高いですが、
ドンシャリゴキゲンに鳴る音ではないので、

オーディオ初心者が気軽に聴いて
楽しむ音には物足りないことでしょう。

 

それよりも上級のマニアが、
サブシステムのメインスピーカーとして

一人じっくり比較的小音量で聴く用途に
相応しいのではないでしょうか。

 

価格が2本1組ではなく1本売りとしているのも、
単なるホームシアターシステムの

リアスピーカーとは位置しない
メーカーの姿勢がうかがい知れるところです。

 

2


または

3

または

3


写真出典 AVAC

 

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