「ちゃんとアンプにつないだけど、
レコードプレーヤーから音が出ないよ~!」
近頃のオーディオ音源の主流は、
ネットからのデジタル音源に移って来ました。
以前ですと、レコードからCDに代わったことで、
デジタル時代が幕開けしたのですが、さらに
今はデータを購入してそれを再生するんですね。
CDさえも駆逐されそうな勢いです。
ところが、近年アナログレコードが見直され、
デジタルとは違う音の魅力にハマる人が、
若者を中心に広がって来ました。
そのおかげでオーディオメーカーは、新規に
レコードプレーヤーを発売する動きに出ています。
それは良いことですが、ところがビックリ。
レコード針のおろし方や、
おろす場所が分からないと言う、
悩みを持つ人が多いんですね。
私のように昭和生まれの方なら、
そんなハズはなさそうですが、
CD登場以降に誕生した平成生まれの方に、
このような傾向があるようです。
今回はレコード再生の基本に関して、
レコードの掛け方や音が小さい・出ないなど、
色々と悩みを解決して行きながら、
プレーヤーの使い方を述べましょう。
レコード針のおろし方(針を落とす場所)をマスターしよう!
まずは新規にレコードプレーヤーを購入した際は、
箱の中はパーツが分かれて梱包されていることを
覚えておきましょう。
それをユーザー自らが組み立て、
次にトーンアームを調整する儀式を
踏まねばなりません。
この項では、ひと通り
組み立てと調整が完了したのを前提に、
先に使い方をお話しましょう。
最初に、こちらの動画をご覧下さい。
これがレコード針をレコードにおろす、
基本のやり方になります。
協力 HeinzTVさん
掛けるレコードに合わせ回転数を決めたら、
アームのロックを外して、
アームリフターを持ち上げます。
出典:特選街web
アームを動かすとターンテーブルが回り出すので、
レコード外周の溝のない場所まで持って行きます。
狙いを定めたら、ゆっくりと
アームリフターを下げます。
針はデリケートなので、
注意しておろして下さいね。
その時、1つ忘れてはならないことがあります。
それは、針がレコードに接地するまで、
アンプのボリュームを0にしておくこと。
ボリュームを上げたまま接地させると、
“ボン!” とポップノイズが出て、
大事なスピーカーを痛めてしまいます。
上手く針がおりたら、
そこでボリュームを上げましょう。
この際にアームリフターを使わず、
アームを手で持って針をおろす方が時々いますが、
あなたが初心者ならこれは危険な行為です。
万が一、勢い良く針を落としてしまうと、
針とレコードの両方を痛める元になるので、
絶対止めましょう。
最後まで演奏が終了したら、
直ちにアームリフターでアームを持ち上げ、
アームを所定の位置まで戻します。
この時もアンプのボリュームは下げ、
ポップノイズを防いで下さい。
慣れるまで緊張しますが、
これらの行為こそが
レコード鑑賞の醍醐味なんです。
でもどうしても怖くてできないあなたは、
レコードサイズさえ選択すれば
自動的に針を下ろしてくれるDENON DP-300Fなど、
フルオートプレーヤーを使うと良いでしょう。
ちなみにこのモデルは本格的に、
カートリッジを交換することができるので、
別のカートリッジに取り換えることで、
違う音色を楽しむことができます。
表面(A面)の演奏が終わったらひっくり返し、
今度は裏面(B面)を再生しましょう。
このレコード盤をひっくり返す行為も、
CDでは味わえない楽しみと言えます。
レコードプレーヤーを買ったら、レコードを掛ける前に行うこと
あなたがレコードを聴くために、
新しくレコードプレーヤーを購入した、
としましょう。
冒頭に書いたように、箱の中は
パーツが分解され梱包されています。
開封したら組み立てを行い、
カートリッジも取り付けたら、
その次に初期設定をします。
駆動方式がダイレクトドライブの機種なら、
ターンテーブルをスピンドル(柱)に取り付け、
スコープで回転速度を微調整します。
これがベルトドライブ機なら、
ターンテーブルを取付ける時に、
付属のゴムベルトをモーターから
スピンドル側に装着しないといけません。
そしてここからは両機とも同じですが、
アームを水平に保つためゼロバランス調整を行い、
次に針に適切な圧力を掛けるため、アーム後部の
バランウエイトで針圧調整を行いましょう。
その後に、遠心力で
内側に引っ張られるアームを外側へ戻すため、
アンチスケーティング調整を行います。
このように書くと、何かとても
難しそうな作業に感じるかも知れませんが、
マニュアルを見ながら行えば、
それほど苦になることはないハズです。
CD再生と比べれば確かに面倒ですが、これらは
良い音を聴くために必要な作業であり、
楽しみの1つだと思ってやって下さいね。
ちゃんとアンプとつないだのに、プレーヤーからまともに音が出ない!
さて、無事初期設定がすんで、
正しく針をおろしたのに音が出ない!音が変!
など、困ったことがあるかも知れません。
その原因には、アンプとの接続が
間違っている場合が多いです。
あなたが購入したプレーヤーに
MM型と呼ばれるカートリッジが付いていたら、
必ずアンプの “PHONO” と記された、
RCA端子にケーブルを接続して下さい。
この端子の奥には、
“フォノイコライザー” と呼ばれる
装置が組み込まれています。
レコードの溝に刻み込まれている音は、
低音が小さく高音が大きい、
アンバランスな音になっています。
また、音量自体が微弱です。
ですから、プレーヤーから出ているケーブルを、
“PHONO” ではなく”AUX” など外部入力に接続すると、
小さくてシャリシャリした音しか聞こえません。
それを補正して正しい音にするのが、
フォノイコライザーの役目なんですね。
ところが、最近のデジタル化されたアンプを見ると、
PHONO入力端子が省かれた機種が見られます。
そんな場合は、SONY PS-HX500のような、
プレーヤーにフォノイコライザーが内蔵された
モデルを購入すると良いです。
これならば、
アンプの外部入力端子に接続しても、
正しい音が入力されますよ。
ちなみに同機はUSB端子を搭載しており、
レコードの音源をデジタル化して、
USBメモリーにためることができるんです。
このプレーヤーがあれば、
お手持ちのレコードをハイレゾ化して、
デジタル出力できると言う訳です。
ただ残念なのは、カートリッジが
アームに固定され交換できず、
違った音色を楽しめないことですね。
さて、それからまともな音が出ない悩みで、
プレーヤーを接続したら “ブーン” と言う
ハムノイズが聞こえるものがあります。
このハムノイズを発生する源は、
実はプレーヤーを駆動するモーターです。
このノイズをなくすために、
レコードプレーヤーにはRCAケーブルと共に、
アース線が付いています。
このアース線をアンプ側にある、
アース端子に接続して下さい。
すると、見事にノイズが消え、
音がクリアになりますよ。
まとめ
現代は、パソコンや携帯がドンドン進化するように、
オーディオ機器もデジタル化が進み、
音質の傾向も段々と変化していますよね。
その一方で、今、アナログ音源が
徐々に見直されつつあります。
レコードプレーヤーを使って聞くレコードの音は、
デジタルの硬くて冷たい音とは違い、
柔らかくあたたか味のあるサウンドです。
スイッチ1つですぐに始まるデジタル音でなく、
手間を掛けアナログで自分の好きな音を追求する
オーディオファンが増えるのも納得ですね。
あなたもレコードに興味を持ったなら、
ぜひレコードプレーヤーを使って、
アナログサウンドを堪能してはいかがでしょうか?
コメントを残す