スピーカーケーブルの太さの違いで音質が変わる?またおすすめモデルは何?

 

ベテランのオーディオマニアの中には、コンポ(機器)そのもにこだわると同時に、これらをつなぐケーブルにも気を使う人が多いです。

オーディオケーブルと言えば、RCAケーブル(昔で言うラインケーブル)や同軸ケーブル、電源ケーブルなどもそれに該当しますね。

で、それらの中で初心者でも興味を持つのが、スピーカーケーブルではないでしょうか。

 

スピーカーケーブルを交換すると、まるでコンポをグレードアップしたように音質が向上するなんて話、あなたも聞いたことがありませんか?

たかがケーブルを換えただけで音が変わるならなら、安いものです。

 

でもこれは、本当のことなんでしょうか?

結論を先に言うと、実はスピーカーケーブルを太いものに交換することで、音は “変化” します

 

スピーカーに付属するケーブルから、市販のケーブルへ交換するだけで、変化を感じるのは本当なんです。

と言うことで今回は、「スピーカーケーブルの太さの違い」で、どのように音質が変わるのか、突っ込んで行こうと思います。

 

それと、オーディオ解説書などで、たびたび登場するバナナプラグ。

これを使うことで、どのようにオーディオコンポに効果があるのか、そのメリットに付いても一緒に触れてみましょう。




 

CONTENTS

スピーカーケールを太いものに交換すると音はどう変化する?

 

 

もしあなたがお使いのコンポのスピーカーケーブルが、スピーカーに付属していたものを使っていたとして、特に現状で音に不満がないのなら、何もいじらなくても大丈夫です。

ただ、スピーカーにインシュレーターをかませるなど、セッティングをちゃんとやっているのに不満があるようなら、スピーカーケーブルを少し太いものに交換すると、価値を見いだせるかも知れません。

スピーカーケーブルを太いものに換えてやると、低音のスケール感が増して聞こえるようになるのです。

昔の話で恐縮ですが、以前私はDENON SC-R88Zと言う、ブックシェルフ型ながら、巨大な36㎝ウーファーを搭載したスピーカーを使っていました。

初めの頃は、店で無料でもらった細めのケーブルで鳴らしていましたが、いくらエージングをしても、想像するほどの重低音が出ませんでした。

 

スピーカー台にコンクリートブロックを使ったり、本体を壁にできるだけ近付けてみても、あまり低音再生に効果はなかったのです。

困っていると、当時愛読していた雑誌「ステレオサウンド」に、スピーカーケーブルの特集記事を発見。

 

それには、「ウーファーの特性を生かすために、スピーカーケーブルは太めのものを使いましょう」と書かれていました。

じゃあこれを試してみようと家電店へ向かい、少し太めのケーブルを購入したのです。

 

スピーカーケーブルは、細めのものから極太のものまで色々ありますが、太いものほど電気抵抗が減ることで、低音の再生に有利と言われます。

だからと言ってあまり太いものを買ってしまうと、芯が太過ぎてターミナル(端子)にはまらないこともあるので、その点を注意しないといけません。

 

 

事前に太めのケーブルでも使えるか、アンプとスピーカー両方のターミナルを確かめておきましょう。

後述しますが、バナナプラグが使えるアンプとスピーカーなら、これを使うことで、太さをあまり気にせずつなぐことができますよ。

 

さて自宅に帰り購入したケーブルと交換したところ、嬉しいことに、低音に変化があったことを確認できました。

正直なところ、量感にさほど変化はなかったのですが、アタック音などが力強く聞こえるようになったのです。

 

不思議なことにアタック音が強く聞こえると、低音の量感が増したように感じられるんですよね。

とは言うものの、コンポを買い替えたほどの変化が得られる訳じゃありません。

 

たかが数千円の投資ですから、金額からすればそこそこ変化する程度です。

でもケーブルを交換することで、アンプの持つパフォーマンスを、よりスピーカーに伝えられるのは事実、と言うのを私は知ることになったのです。

 

この件に付いては、あるYouTuberさんも実際にケーブルを交換して、音の変化を感じたんだそうですよ。

その動画がありますので、ぜひご覧になってみて下さい。

 


協力 良品好きのあるみさん

太いスピーカーケーブルを使うと低音は強調されるも高音は弱くなる?

 

 

大型ブックシェルフスピーカーのSC-R88Zに、太めのスピーカーケーブルを使うことで、低音が力強くなったことは前頁で述べた通りです。

そしてSC-R88Zを購入して数年後、私はサブとしてウーファーが10㎝口径の、CELESTION F10と言う小形のスピーカーを購入しました。

 

このスピーカーには、以前使っていた細めのケーブルでアンプと接続。

小さなボディながら元気に鳴ることで、これはこれで納得のコンポです。

 

その後、家庭の事情でSC-R88Zを部屋に置けなくなり、手放すことに・・・。

残ったF10がメインスピーカーに昇格したことで、SC-R88Zに使っていた太いケーブルをつなぐことにしました。

 

実際に鳴らすと、相変わらず低音は元気なままで、特別変わった感じはありません。

まあ、そりゃそうでしょう。

なにせわずか10㎝口径の小さなウーファーですから、太いケーブルに換えたからと言って、低音に変化を感じるのは難しいですからね。

 

ただし、ちょっと高音に変化が起きました。

何となく引っ込んだと言うか、少し柔らかい音になったのです。

 

気のせいかも知れないとも思ったのですが、一応あちこちケーブルのことを調べてみたところ、意外な情報を発見。

スピーカーケーブルを太いものに交換すると、全音域で柔らかくなったり、高音が減弱する場合があると言うのです。

 

太いケーブルには、そんな弱点があったのですね。

で、それでは困るので、ケーブルを元のものに戻そうとも考えたのですが、1つあることを思い付きました。

 

F10は小型ながらバイワイヤリング対応になっており、使っているアンプもスピーカー端子を2系統揃えています。

そこで「低音用ターミナルに太いケーブルをそのまま用い、高音用ターミナルに細いケーブルを使ったらどうなるか?」と、実験してみることに。

 

 

すると高音が持ちあがり、クリアな感じになって来たじゃありませんか!

この時は、ちょっと感動しましたよ。

 

でも低音は少し締まった感じになり、量感が若干減ったような感じが・・・。

そこでまたあれこれ調べてみると、どうやら “逆起電力” と言う歪(ひずみ)が影響しているらしいことが判明。

 

 

簡単に説明すると、アンプから低音信号と高音信号を1本でスピーカーターミナルへ伝送すると、ウーファーのムービングコイルが共振することで起こる、逆起電力が音をにごらせるのだそうです。

それをバイワイヤリングで、低音信号と高音信号を別々のケーブルで伝送すれば、逆起電力が減り音のにごりも減ると言います。

 

つまり、音の歪が低減すると言うことなんですね。

低音の歪が減ったことで、低音の量感が減ったように聞こえたのかも知れないのです。

 

SC-R88Zでは、太いケーブルを使って高音が弱くなった印象はなかったですが、小さなF10では高音にデメリットが生じたことになりました。

F10はバイワイヤリングすることで、低音も高音もバランス良くクリアになったのですが、どんなスピーカーでも太いケーブルを使えば、必ず良い方向に音が向かうとは限らないようです。

 

なおバイワイヤリングに関しては、こちらのページ「バイワイヤリングは効果ない?」で詳しく説明しています。

良かったら覗いてみて下さい。

 

バナナプラグをスピーカーケーブル接続に使う効果(メリット)

 

 

使っているスピーカーの低音再生に不満を感じたら、スピーカーケーブルを太いものに交換することで、音が変わる(改善される)ことは既述の通り。

しかし太いものを使うことで、高音が弱くなるデメリットが、使うスピーカーの機種によって現れることも・・・。

 

それでも、一般的にはスピーカーに付属する細いケーブルより、太いケーブルを使う方が、アンプの持つパフォーマンスを発揮できると思います。

ただし太いケーブルをつなぐ際に、アンプやスピーカーに直付けだと、ターミナルに上手く接続できないことがあります。

 

そんな場合、アンプやスピーカーがバナナプラグ対応モデルであったら、ぜひ先端がバナナプラグ加工されたケーブルを使うか、自分でケーブルにバナナプラグを取り付けて使ってみて下さい。

バナナプラグを装着すると、スピーカーケーブルの抜き差しが楽になりますよ。

 

 

バナナプラグの加工は、初心者でも道具さえ用意できれば、難しいことではありません。

そこで、あるオーディオ専門家の動画を紹介しますので、加工のしかたをご覧になってみて下さい。

 


協力 逆木一/Audio Renaissanceさん

 

バナナプラグを使えばアンプやスピーカーの位置が多少ズレても、ケーブルが外れたりするトラブルからも開放され、とても助かります。

最初だけちょっと手間が掛かりますが、後は十分に元が取れますよ。

価格は大して高くありませんから、ぜひチャレンジすると良いですね。

 

Nakamichi バナナプラグ 24K金メッキ (4個(2ペア)

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まとめ

 

 

あなたが愛用のオーディオスピーカーの音質に不満を抱いているなら、使っているスピーカーケーブルを確認してみて下さい。

もし細めのケーブルを使用していたら、太めのケーブルに交換してみると良いでしょう。

 

スピーカーケーブルには音色はないので、音質そのものが変わることはありませんが、太めのケーブルを使うことでアンプの持つパフォーマンスを、よりスピーカーに伝えることができます。

それが、結果的に低音が力強くなったり、スケール感が増すことに通じるのです。

 

 

実際に私も、音に変化があったことを確認しました。

とは言え、過度な期待感は持たないで下さいね。

レコードを鑑賞する際に、カートリッジを交換すると音の変化を楽しめますが、それほどまでは変化しませんから。

 

 

そして、もしスピーカーケーブルを交換するとしたら、一緒にバナナプラグも装着すると、ケーブルの着脱が楽になるのでおすすめです。

なお、たかがスピーカーケーブルと言えども、種類は何百種とあります。

 

どれが一番良いかおすすめするのは難しいですが、マニアが良く口にするのはベルデン8470カナレ4S8の2種です。

あなたが迷っているとしたら、この2つから選んでも良いでしょう。

 

少しでも音にこだわるあなたなら、スピーカーケーブルの交換は、それほど費用の掛からないおすすめの音質改善方です。

手間を惜しまず、コツコツと趣味のオーディオを楽しみましょう。

 

BELDEN スピーカーケーブル 8470-10m

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