本格的にオーディオに浸るのではなく、オシャレに音楽を楽しむ目的で、Bluetoothスピーカーに食指を動かしている人もいることでしょう。
ならばオシャレでありながら、しかもムーディに楽しめるモデルにも、注目してみてはいかがでしょうか。
音に指向性がなく360度に広がる、グラスサウンドスピーカーと言うものがあるんです。
それが「ソニー LSPX-S2」です。
LEDライトを内蔵してキャンドルのようにも見える、全くスピーカーらしくないBluetoothスピーカー。
今回はLSPX-S2の音質や使い方に付いて、ユーザーレビューを基に評価してみようと思います。
ソニー LSPX-S2は有機ガラスを振動させ音を出す新しいスピーカー
LSPX-S2をご覧になって、あなたはどう感じましたか?
まるでキャンプに使う、ガスランタンのように見えたんじゃないでしょうか。
でも本機は、単にガスランタンの形をまねているだけではなく、ちゃんと合理的なデザイン設計になっているんです。
筒形の有機ガラス管を振動させて高音を、動体の穴からは35㎜径ウーファーで中音を、そして底部のパッシブラジエーターで低音を再生します。
有機ガラスと呼んでいますが、正式には強化プラスチックでできており、これが一般のスピーカーのコーンのような役割をするんです。
本機内部には11Wのアンプを搭載して、これで中音担当のウーファーを駆動。
それに有機ガラスが共振、それから、ウーファーの出すエネルギーでパッシブラジエーターが響くしくみです。
強化プラスチックと言え、有機ガラスはやはり衝撃には弱いので、取扱いは十分に気を付けないといけません。
ガラス管の中のLEDこそ、音楽に合わせ明るさが変化する演出をするだけですが、本体全体がスピーカーシステムとして形成しているのがお分かりでしょう。
鳴り方の特徴としては、前述のように一般のスピーカーと違い、音に指向性がないこと。
つまり本機の周りのどこにいても、同じように音が聞こえるんです。
しかもすぐ近くにいても3mほど離れても、音量的な変化(減衰)が少ないと言う、不思議な聞こえ方をするんですね。
音が360度拡散する独特な再生音のおかげで、すぐ近くで演奏しているかのような錯覚に、リスナーは陥ってしまいます。
本機はモノラル仕様ですが、この鳴り方のために、1台でステレオとはまた違うリアルな音場体験をできる訳です。
使い方としては基本Bluetoothスピーカーですから、スマホやウォークマンなどの音源をワイヤレスで楽しめます。
また音声をオーディオケーブル入力端子か、BluetoothではなくWi-Fi接続することで、192kHz/24bitまでのハイレゾ音源が再生可能。
Wi-Fi接続することによりBluetoothより音質が良くなるので、こちらの接続方法がおすすめです。
さらにスマホとの直接Wi-Fiではなく、家庭にあるルーター経由のWi-Fi接続の方が、より音質アップにつながります。
(この接続をする場合、スマホはリモコンとして使用)
スマホの音源やハイレゾ音源を入れたPCの再生にも有効だし、Sportifyにも対応しているので、ネット経由のストリーミングソースも高音質で楽しめますよ。
電源は、内蔵のリチウムバッテリーにUSBで充電して駆動します。
約5時間の充電で、8時間程度の再生が可能だとのことです。
なのでデスクトップだけでなく、食卓テーブルやベッドサイドに置いても、ムーディに音楽に浸ることができるでしょう。
ではここで、本機はどんな音を奏でてくれるのか、あるユーザーの動画で聴いてみることにしましょう。
音を鳴らすとともに、内容も解説してくれていますから、本機を知る参考にすると良いと思います。
協力 [NAMIKAZU]ナミカズさん
データが圧縮されていることもあり、現実の音とは少し違いますが、再生音の雰囲気だけは掴めたことでしょう。
次に、実際のLSPX-S2の音質や使い勝手はいかがなものか、複数のユーザーの皆さんのレビューを覗いて確かめてみて下さい。
ソニー LSPX-S2のユーザーレビュー
★「音については特筆するようなものはないと思う。程よい低音やハリのある高音はあると思うが、サイズがサイズだけに、ドライバーに余裕がない音に感じられる。しかし見た目から感じられる癒しには、価格なりの満足感を得られる。キャンドルモードでしっかりとその場を満たすBGMを鳴らす機器として、例えば店舗や小規模オフィスなどで使えば、良い選択となるのではないだろうか。ボディ部分が金属なので、モダンな印象のインテリアにも似合う。」
★「LEDライトが付いているので、寝室のBGM用に。グラススピーカーの効果なのか離れても通るサウンドで、BGM用途にはもってこいな感じだ。低音がズンドコ出るタイプでは無いが、そこそこしっかり出る、しっかりしたトコに置けば。肝心のサウンドは本当に通る音。これを透き通る音と言って過言かどうかは好みによると思うが、個人的には用途に合ってナイスだ。」
★「ヤッパリこういうのは、音質的に限界がある。なんか薄いベールを被っているみたいなこもりがある。結局BGMで流しておくという使い方に限定される。Wi-Fi接続だと音質的に良いというんで試したが、Bluetoothから切り替えたりする時に煩雑な操作が必要。特にSONY独自の囲い込みが甚だしくて、制約が多い。この間泊まったホテルにあったBOSEの『なんたら+』の方が、Bluetoothのみの接続だったけれど音質は良かった。BOSEは反響音や反射音を昔からやっているから、一日の長があるみたいだ。なので買い替えを考えている。本機のLEDは良い。そういうムード派は選んで悔いなしだ。」
★「届いて開封。小ささにびっくり、ずっしりと重い。細身のワインボトル、ガラスの蝋燭立てを思わせる。充電を終えてスイッチを入れると、LEDが点灯して蝋燭の様になる。音は360度に広がり、3mも離れると音の出所が判らない。音色は透明。とにかく声が鮮明。それでいて低音もまあまあ出る。音楽やヴォーカルなど、小編成で奏でる音楽には最適。こういう音は聞いたことがない。目の前に置いても耳障りにならず、そうか鳴っているんだという感じ。ひょいと持って何処へでも持って行ける。Wi-Fiなら澄んだ音が極まって気持ちいいし、音の広がりも見事。」
ソニー LSPX-S2の評価
ここからは以上を踏まえて、私がLSPX-S2の評価をしてみたいと思います。
本機はBluetoothスピーカーの中でも、特に興味深い製品として、オーディオファンならぜひ1台手元に置きたい魅力にかられますね。
それは一見、オーディオ製品とは思えない形にもかかわらず、真面目に設計され優れた音質を提供してくれるからです。
決してスケール感豊かと言う訳ではないものの、有機ガラスの出す繊細な高音と、意外にしっかり出る重低音が周りに広がる感じは不思議です。
また充電式で電源ケーブル不要と言うのも、どこでも置けて聴く場所を選ばない点で魅力を感じます。
ただしもう1つの魅力として、メーカーが推奨する複数台の同時使用ですが、これは業務用で使う場合を除き感心できません。
例えば個人で2台購入して左右に置けば、ステレオで聴けると言うことなんですが、メインで使うには音が繊細過ぎパワフル感が不足します。
それに、2台で使用するにはそれぞれ1つずつ電源が必要だし、価格も高くなります。
もしLSPX-S2を2台購入するくらいなら、同程度の価格で買えるミニコンポを買った方が満足感は高まるでしょうね。
結局LSPX-S2は、1台で音の広がりを感じるように聴く使い方が、最も特徴を発揮するものと思うのです。
メインのコンポを持っていて、サブ用途でオシャレに音楽を楽しみたい人に相応しい、Bluetoothスピーカーと言えるのではないでしょうか。
※LSPX-S2はこのたびLSPX-S3に進化しました ▼
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