「ハイレゾ ハイレゾって騒いでいるけど、これ、
ネットからダウンロードしないといけないでしょ?
身近なCDでハイレゾを聴くことってできない?」
あなたはこんなこと、
思ったことはありませんか?
CDと同じディスクで、ハイレゾと同等の
20kHz超の音域を再生できるものがあれば、
聴いてみたいものですよね。
しかも値段が安いなら、
手に入れたいもの。
そんなCDって
登場しないでしょうか?
いえ、実はすでにあるんです。
それが、2018年に
姿を現した「MQA-CD」!
これは今までのCDでは不可能だった、
超高音域を再生できる
“ハイレゾCD” なんです。
今回はこのMQA-CDに関して、
その音質や対応するプレーヤー等に付いて、
分かりやすくお話をしてみようと思います。
MQA-CDの音質ってどんなもの?既存のプレーヤーで再生可能?
MQA-CDの音質に付いて、
実は私もまだ聴いたことがないので、
その音を上手く表現できません。
なのでここでは、理論的に
説明することにします。
とその前に、そもそも
“MQA” と言う言葉を知らない方へ、
ある家電製品アドバイザーさんから
ごく簡単に説明してもらいましょう。
協力 KiBANinterさん
MQA-CDは、名前の通りあくまでCDであり、
新しい規格の音楽ソフトではありません。
なのでデータそのものは、
人間が視聴可能な20Hz~20kHz内に収められ
今あるCDプレーヤーでも “再生” は可能です。
しかし冒頭で述べたように、
このディスクは20kHz超の音域を再生でき、
ハイレゾと同じ音質で音楽を楽しめます。
繰り返し申しますが、MQA-CDは
“ハイレゾCD” と呼べる音楽ソフトです。
ただ残念なことに、既存のCDプレーヤーで
再生はできてもハイレゾにはなりません。
CDの規格は容量が650MB(最大のもので800MB)、
最高収録音域は20kHzまでです。
で、一般のハイレゾ音源の1曲5分の容量は、
WAVフォーマットで約330MBほどあります。
これだと、20kHz以上のデータは全てカットされるし、
1枚のディスクに2曲ほどしか収録できませんよね。
なのにMQA-CDはハイレゾ音源が、
普通のCDと同等数の曲を収録できるんです。
これはPCM44.1kHz/16ビットの
デジタル信号規格を守りながら、
ハイレゾ音源データをディスクの中に
折り畳む技術を開発してできたもの。
これ以上は難しいので説明できませんが、
実にとても凄い技術なんです。
そのちゃんとした再生方法ですが、
これには専用のプレーヤーが必要。
現在は、次のような
プレーヤーが発売されています。
LUXMAN D-03X MQA-CD/MQAファイル対応
また既存のCDプレーヤーを使う方法もあり、
その場合は専用のDAC搭載プリアンプを介し、
光または同軸ケーブルでつなぎます。
こちらの製品が現在発売中です。
Meridian Meridian218 MQA-CD
MQA-CDのメリット・デメリット
こんなに優れたMQA-CDですが、
まだ開発されて間もないこともあり、
デメリットもやっぱりあります。
ここでメリット・デメリットを、
箇条書きで表記してみましょう。
●メリット(特徴)
・容量の大きなハイレゾ音源を、
20Hz~20kHz 650MBのCD盤へ、
普通のCDと同数の楽曲を収容できる。
・専用のCDプレーヤーを使うことで、
普通のCDと同じ使い勝手で、
MQA-CDを再生させることが可能。
・既存のCDプレーヤーを使うなら、
アンプとの間に専用DACを介すことで、
MQA-CDを再生させられる。
・MQA-CDはCDと同じ規格で作られており、
1枚の販売価格が一般のCDと同程度と安い。
・ハイレゾにこだわらなければ、
既存のCDプレーヤーでも再生は可能。
●デメリット
・専用のCDプレーヤーの種類が少なく、
今のところ価格もかなり高い。
・MQA-CD専用のDACを使用すれば、
既存のCDプレーヤーでハイレゾOKだが、
専用DACもまだまだ高価である。
・ラインナップされている
MQA-CDソフトの数が絶対数少ない。
MQA-CDに将来性はあるの?
MQA-CDが登場する以前から、
SACDやBlue-ray・DVDの
高音質ソフトが販売されているのは、
あなたもご存知だと思います。
どれもCDと同じ大きさのディスクで、
使い勝手も音も良いのは周知の通りですが、
現在はあまり売れているとは言えません。
恐らくそれは、ソフトがCDより高価だし、
オーディオマニアのアイテムと言う認識で、
販売されているのが原因だと思います。
また、DVDやBlue-rayは音楽ソフトではなく、
映像ソフトで普及したせいかも知れません。
そうやって考えれば、MQA-CDも
同じような運命をたどって行くことも
考えられることでしょう。
しかし、これらとMQA-CDが違うのは、
MQA-CDはあくまでCDであると言うこと。
そのため販売価格は、普通のCDと
同程度で市場に提供されています。
ほかのディスクでは不可能なコピー
(専門用語でクリッピング)ができることで、
別のメディアでも再生することが可能です。
このようにソフトウェアの点では、
ほぼデメリットはありません。
後は、ハードウェアの問題。
現在は高価な専用CDプレーヤーを、早く
既存のCDプレーヤー並みの価格に下げる。
そうすることで、
PCオーディオの匂いがプンプンする、
ダウンロード形式のハイレゾ音源より、
売れるようになると思う訳ですね。
近年はCDの出荷数が減り、
ネットでの音源の切り売りが主流です。
でも、MQA-CDならこの流れを
きっと元に戻せるのではないかと、
私は大いに期待しています。
まだMQA-CDを知らない人は多いので、
これからもっとアピールして、
普及に努めてほしいものだと思います。
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