最近は昔と違い、比較的小さなスピーカーで
オーディオを楽しむ人が増えて来ました。
趣向の変化もあってか、
大きなスピーカーを使い、家の外へも聞こえるほど
重低音を響かせるお宅もあまり見かけません。
小型スピーカーでも高音質に再生するモデルは、
国内外たくさんありますが、
大型スピーカーのような低重音を鳴らしにくいことで
悩んでいらっしゃる方は多いことでしょう。
小さなシステムでは、どうやっても
迫力ある重低音を増強させることは、
できないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
その方法は3つありますので、
順番にご説明しましょう。
スピーカーの構造にこだわる
この方法は小型スピーカーで、
と言う前提がありますので、効果には
限界があることをご承知おき下さい。
スピーカーシステムにはなるべく低音の量感を
増やすため、構造を工夫したものがあります。
裏面または前面にバスレフポート
と言う、穴の開いた機種です。
バスレフポートを持つことで、低音エネルギーを
外へ出すことができ、低音の量感が増します。
これを「バスレフ型スピーカー」と言います。
また、スピーカーユニットの裏側から出る低音エネルギーを
もっと効率良く出せるように、長いチューブを内部に作って
前面から排出する構造の機種もあります。
これが「バックロードホーン型スピーカー」と
呼ばれるものです。
低音の量感の大きさを順に
示すと、次の通りになります。
密閉型(最もベーシックな構造) < バスレフ型 < バックロードホーン型
密閉型は低音の量感が最も少ないので、
大型スピーカーに採用されることが多いのですが、
歪みの少ない引き締まった低音を楽しめるので、
マニアには受けの良い方式なのです。
メインの2本のスピーカーだけで低音に
こだわりたい方は、バスレフ型や
バックロードホーン型の機種から選ぶと良いでしょう。
サブウーファーを追加する
サブウーファーは、エンクロージャー(キャビネットのこと)に
重低音域のみを再生するアンプを内臓して、
スピーカーユニットもウーファーのみ
搭載したスピーカーシステムのことです。
アンプで増幅して重低音のみを鳴らすため効果は大きいですが、
床に響くので少しボリュームを絞るか、一戸建てのように
住宅事情の良いお宅でないと、隣近所から苦情が出るかも知れません。
プリメインアンプと
サブウーファーとの接続は、3通り。
●サブウーファー端子から信号を出力し、オーディオケーブルでつなぐ
●プリアウト端子から信号を出力し、オーディオケーブルでつなぐ
どちらの端子もプリメインアンプにない場合は、
●空いているスピーカー端子から、スピーカーケーブルでつなぐ
残念ながら3つのどれもない場合は、
接続は不可能です。
サブウーファーは、1つの
オーディオセットに1台あればOK。
人間の耳は重低音の方向性を聴き分ける能力がないので、
2台も用意する必要がありません。
ですから、左右2台のスピーカーのすぐ近くに置かず、
少し離れた場所に設置しても構いません。
サブウーファーも密閉型とバスレフ型があり、
メインのスピーカーシステム同様、
あなたの音の好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
スピーカーの設置を工夫する
小型スピーカーでできるだけ重低音を鳴らすには、
設置の仕方がとても重要になります。
小型スピーカーの場合、多くは棚の上や机の上に
セッティングすると思いますが、
できるだけ硬いものの上に置くことで、
低音エネルギーを反射させ増強させるのが可能になります。
ただし、直接置くとボワ付いた音になるので、
インシュレーターなど硬めのものを下に敷くことが、
締まった重低音を出すコツです。
また背面を壁に近づけるのも、
低音の量感が増すことに繋がります。
(やはり、できるだけ硬い壁の方が効果的)
一般にあまり壁に近づけ過ぎると低音がボワ付くので、
前後にスピーカーを動かして
ちょうど良い間隔を見つけると良いでしょう。
いずれにせよ、ただ
設置を変えるだけでは重低音を得るのに限界があるため、
あまり効果を期待し過ぎるのは良くはありません。
まとめ
いかがでしたか?
見た目小さなスピーカーでも、工夫次第で
豊かな低音を再生することができるんです。
ただし、限界を超えた重低音再生は、
音全体のバランスを崩す原因にもなってしまいます。
小型スピーカーには小型スピーカーなりの低音の鳴らし方で、
気持ち良くオーディオサウンドを楽しんでいただけば、
きっとあなたの心が癒されることでしょう。
コメントを残す