このところAVアンプ
(FMチューナー内蔵されるのでAVレシーバーと呼ばれたり、
ネットにつなげるならネットワークレシーバーとも呼ばれる)
が売れて、2chのプリメインアンプと人気を分けています。
理由は、AVアンプが多機能でコストが掛かっているのに、
機能がシンプルなプリメインアンプに
引けを取らないほど音質が良くなったからでしょう。
そんな中で注目を浴びているのが、ミドルクラスの
AVアンプ「マランツ NR-1609」です。
今回は、このマランツ NR-1609にスポットを当て、
その音質や機能をレビュー評価してみたいと思います。
そもそも “AVアンプ” と “プリメインアンプ” はどこが違うの?
当ブログへおたよりしていただいた方から、
「AVアンプとプリメインアンプってどう違うのか?」
と言う質問がありました。
これを、まず簡単にご説明いたしましょう。
プリメインアンプは基本、左と右の2ch仕様になっていて、
チューナーやCDプレーヤーからの小さな音声信号を増幅して、
スピーカーを鳴らせるほど大きくするものです。
対してAVアンプは、AV(オーディオビジュアル)と呼ぶように
音声信号だけでなく、テレビなどの映像信号も入力し、
それをセレクトして(振り分けて)出力する機能が付いています。
音像と映像の両方を扱うことで、
5.1chや7.1chなど複数のスピーカーを組み合わせた、
ホームシアターが構築できるアンプなんですね。
ですから、出入力端子が2chプリメインアンプより多く、
内部のメカニズムも複雑です。
メカニズムが複雑なだけに、
各部品が多い分、製造コストが高くなります。
同じコストでAVアンプとプリメインアンプを作るとしたら、
当然AVアンプの方は安い部品を使わなければなりません。
同じ価格なら、2chプリメインアンプの方が品質が良く、
音質も良いと言われるのは、このためです。
また、部品が多いことでボディも大きくなり、
重いのがAVアンプの特徴でもあります。
もっと詳しいことを知りたいあなたは、
「プリメインアンプとAVアンプの違いとは?」
をご覧下さいね。
ところが、それをくつがえすようにNR-1609は、
スリムなプリメインアンプと匹敵する大きさになって、
重量も軽くなっています。
それでもって、今では
当たり前になっているワイヤレスネットワークや、
デジタル技術の進化による
バーチャルサウンドにも対応しているのです。
映画ファンやテレビゲームファンが、
AVアンプに注目するのは当然のことでしょう。
さらに、このNR-1609を普通に
2chのプリメインアンプとして利用しても、
ミドルクラスのモデルと音質的に遜色がないと言われ、
オーディオファンの間でも評判が高いのです。
マランツAVアンプ NR-1608とNR-1609の違い
マランツには、旧製品に
NR-1608と言うモデルがありました。
両機には、いったい
どんな違いがあるのでしょうか?
機能と音質から触れてみようと思います。
品番も近いしフロントパネルも同じであることから、
NR-1609はNR-1608のマイナーチェンジ版なのでは?
と想像できますよね。
しかし、内容は結構違います。
NR-1608になかったシルバーゴールドカラーが追加、
ブラックと共に2色から選べるようになりました。
そしてリアパネルを見ると分かるのですが、
新たにフォノイコライザーが追加され、
アナログレコードプレーヤーとつながるのです。
MM型カートリッジ搭載のプレーヤーなら、
そのままレコードが聴けますよ。
音質はほかの同社のプリメインアンプと
傾向が似ていると言われ、
NR-1608も同様に評価が高いものでした。
NR-1608の澄み切ったデジタルアンプらしい音に加え、
さらに、今回NR-1609では全域に渡り厚みが増し、
特に低音の厚い響きが目立つようになりました。
こうしたフォノイコライザーの追加と音質の改善が、
ピュアオーディオを信仰するオーディオファンにも
受け入れられたのかも知れません。
マランツAVアンプ NR-1609のユーザーレビュー
ではここで、すでに購入して愛用している
ユーザーの皆さんのレビューを集めましたので、
ご覧いただきましょう。
その後で、NR-1609の評価をして参ります。
★「AVアンプは重い方がいいという理屈があるのかないのか、分からない慣習をくつ返したスリム&コンパクトサイズのAVアンプだ。以前使っていたONKYOのTX-SA806X(N)は定価26万円で180Wのアンプと、NR-1609より上のクラスのアンプだったこともあるが、最初の音の印象は、”音の厚みが減ったかな” と言うものだった。しかしTX-SA806X(N)は、全体的にボワッとした音でセリフが聞き取りにくかったのに対して、NR-1609はかなりクリアな音になり、セリフが聞き取りやすくなったのは嬉しかった。また、2chソースを5.1chや7.1chにアップミックスする規格は、新しいDolby SurroundやDTS NeuralXになっている。これらはプロロジックなど旧規格に比較して、圧倒的にサラウンド感が増した。そして私は、今は音楽をすべてストリーミングで聴いているので、ネット機能が標準装備されているのは非常に便利だ。」
★「良いところ。・AirPlayでiPodやiPhoneの音が出せる。・同タブレット等から操作がある程度可能。・同タブレットのみで音楽再生できるので、テレビ画面などを表示しなくても普段使いが出来る。・2chのスピーカーだけでも十分に楽しい。・シルバーの本体色がオーディオ機器ぽくて良い。悪いところ。・パワーが足りない感があり、思っていたよりも音量を上げた状態での運用になる。・USBメモリーに入れた音楽を再生するには、制限がある。・FAT32でフォーマットされたメモリーにしか認識出来ないようで、exFATでフォーマットされた64GBメモリーは使えない。・FLACのデータで再生できる出来ないことがある。出来ないデータを叩くと、USBメモリーがハングアップしたような状態になり、電源off/onが必要になる。」
★「マランツは3台目。前に使っていたNR-1604のWi-Fi機能が弱かったので、安くなったのを機に購入した。AV関係は黒ばかりだったのだが、今回はシルバーを選択、新鮮な感じで正解だった。音も機能も十分だが、リモコンだけは “使えない代物” だ。もっぱらiPodのアプリで代用、AirPlayだけは使いやすいが、リモコンのマイナスで星4つ。」
★「リモコン・アプリに操作のもたつきがある。操作がワンテンポ遅れる感じで、設定をいじる時にはイライラするが、一度設定すれば気にならないと思う。音量・音質に付いては、真ん中ぐらいの音量なら近所迷惑になるくらいの音が出せるし、手作業でいろいろと設定したところ、音質も満足だ。」
マランツAVアンプ NR-1609の評価
NR-1609の最大の魅力は、まずやはり、
AVアンプとしてコンパクトで軽いことでしょう。
7.1chまで対応しているのに、
本体の高さは105mmに収まっています。
重さも8.3kgしかありません。
あなたはきっと、中身がスカスカなのでは?
と想像するかも知れませんが、
決してそんなことはなくギッシリと詰まっています。
これも、デジタルアンプ技術が
なせる技なんでしょうね。
本体が大きく重いと、設置を考えれば
購入をちゅうちょすることもあり得ますから、
その点では十分に合格ですね。
音質に関しては、機能のコストの兼ね合いもあり、
パワー満点とはいきません。
1ch当たり50Wですから、
2chで使った場合、合計100W(6Ω)となります。
これが同価格の2chプリメインアンプなら1ch当たり100W、
合計で200W(8Ω)あっても不思議ではないので、
ガンガン鳴らすアンプではないことはお分かりでしょう。
ただ、パワーと音質は直接比例するものではなく、
チャンネル当たりわずか50Wだと言っても、
100Wとのものと比べてさして劣ることはないハズ。
元々マランツのアンプの音と言うのは、
低音から高音までスッキリしていて、
エネルギー感は中音寄りの味付けと言われます。
それがNR-1609では、スッキリ感は同じで音の厚みが増し、
実際に低音の充実感が感じられるようになったんです。
また、今風のデジタルアンプでありながら、
新たにフォノイコライザーを追加搭載し、
アナログ音源も入力可能になった点もニクいですね。
AVファンだけでなく、
従来のオーディオファンにも認めてもらおうと言う、
マランツの心意気がうかがえます。
これは実際にAVアンプとしてではなく、
純粋に2chプリメインアンプとして使っている
ユーザーがいることでも分かります。
今は取りあえずピュアオーディオを楽しむ感じで使い、
いずれ予算ができたら
5.1chや7.1chホームシアターに発展させたい人向けの、
AVアンプと言えるのではないでしょうか。
※この商品は、現在販売されておりません
画像出典:PHILE WEBさん
コメントを残す