ホームシアター用スピーカーとオーディオ用スピーカーの違いって何?

 

オーディオコンポに興味のある初心者は、数あるコンポの中でも、特にスピーカーに関心を寄せる方が多いようです。

そのスピーカーの中で、ホームシアター用スピーカーと呼ばれるものと、オーディオ用スピーカーと呼ばれるものとの違いが知りたいと言う声を時々耳にします。

 

どちらも最終的に人間の耳に聞こえるよう、音を再生する機器であることに違いはないのですが、具体的に何がどう違うのか疑問を抱くのかも知れませんね。

ストレートに結論を言うと、実は両機は基本的には何も違いはありません

 

ただ用途が違うのが本当のところ、と言えば良いでしょうか。

今回は、ホームシアタースピーカーとオーディオスピーカーの用途の違いに付いて、少し詳しく触れてみようと思います。




 

ホームシアターシアター用スピーカーは音色より臨場感を重視

 

 

ホームシアタースピーカーは、3.1ch・5.1ch・また7.1chなどと、多数のスピーカーシステムで構成されています。

例えば5.1chで言うと、フロント左右にメインスピーカー2本・リア左右に2本、それからフロントセンターに1本の5ch、これにサブウーファーを加えたものになります。

 

リアに左右2本のスピーカーがあるのは、アクション映画などで車の走る音が左右の動きだけでなく、前後の動きも記録されている場合があるからです。

このように多チャンネルで再生することで臨場感が増し、映像と相まって迫力が感じられるんですね。

 

さらにそれを耳だけでなく身体でも感じられるように、床を揺るがす重低音が必要になります。

その重低音再生を担うのがサブウーファー。

重低音には指向性がなく、人間は立体感を感じないので、サブウーファーは一般的に1台で構成されます。

 

さらに映画では効果音ばかりでなく、出演者の声もハッキリ聞こえないといけません。

それを手助けするのが、センタースピーカーと言う訳です。

センタースピーカーを加えることで、セリフが周りの音に埋もれたり、ボヤけてしまうのを防げるのです。

これらのスピーカーシステムを効率良く稼働させるため、多チャンネルに対応したAVアンプで駆動させます。

音楽再生専用のオーディオアンプは2chが基本ですから、多チャンネルのスピーカーを接続することはできません。

AVアンプと、ホームシアター用スピーカーの組み合わせが、効果音で迫力を演出する映画を生き生きと再現するのです。

 

もちろんオーディオ用スピーカーを使って、ホームシアターシステムを組むこともできますよ。

ただ音に統一感がなく、ちぐはぐな印象に聞こえる場合があるので、面白みに欠けてしまうこともあるでしょう。

 

なのでホームシアターは、同一メーカーの同一シリーズで、スピーカーを組み合わせるのが無難です。

こうすることで相性の良い、バランスの取れた音で楽しめることでしょう。

 

その代わり、スピーカーの数が増えることで、大型テレビ(またはスクリーン)の周りで設置場所を占有してしまうことがあります。

前面のメインスピーカーに、スリムなトールボーイデザインが多いのは、できるだけ場所を取らないようにするためなのです。

 

オーディオ用スピーカーは2chに特化し楽器やボーカルの音色をリアルに表現

 

 

ピュアオーディオと呼ばれる、純粋な音を再現するためのコンポシステムは、組み合わせがシンプルです。

2chとすることで、楽器やボーカルの音色をリアルに表現することが可能で、音楽専用システムとして、昔から根強くマニアに支持されています。

 

スピーカーは大型フロアスピーカーから、デスクトップにちょうど良い小型ブックシェルフスピーカーまで、多種類のモデルが揃って価格も千差万別です。

ユーザーの好みや部屋のレイアウトに応じて、選択肢が広いのがオーディオ用スピーカーの特徴なんですね。

 

元々オーディオスピーカーは、全て音楽再生のために設計されています。

そのため、そのままホームシアター用スピーカーとして使うと、思ったほど迫力が出なかったりして、映像とマッチしないこともしばしば。

 

ただあなたが違和感を感じないようなら、メインスピーカーに使ったり、サブウーファーを加え小型スピーカーの迫力不足を補ったりするのは問題ありません。

ホームシアターサウンドとして特別不満がなければ、これで代用できるんです。

 

でも逆のパターンで、以前、私の友人宅のホームシアターシステムでCDを聴いた時、音の広がりに不自然さを感じて、じっくり聞き込みたい気にはなれませんでした。

その機器はAVアンプと同一メーカーの、同じシリーズの7.1chシステムでした。

 

そもそも価格が同程度だった場合、AVアンプとオーディオアンプでは仕様が違うことで、音質に優劣があります。

前者は5.1chなら5つのアンプを内蔵するのに対し、後者は左右2chと2つのアンプしか内蔵していません。

それぞれのチャンネルに割り当てられるコストがが安い分、AVアンプの方が音質は劣ります。

当然スピーカーはアンプの影響を受けるので、AVアンプを使ったホームシアタースピーカーは迫力そのものはあっても、楽器やボーカルの音色は、やっぱりオーディオアンプを使ったオーディオスピーカーの方が高音質です。

 

極論を言いますと・・・

 

映像の臨場感を優先したいなら、AVアンプを用いてホームシアター用スピーカーを使用する。

音楽の再生に特化して音源を忠実に楽しみたいのなら、オーディオアンプを用いてオーディオ用スピーカーを使用する。

この使い分けをすることで、より満足感が得られることを、オーディオマニアの中では常識となっているのです。

 

まとめ

 

 

AVアンプとオーディオアンプでは、音の味付けが違うので、両者の音の鳴り方は明らかに違います。

しかし、ホームシアター用スピーカーとオーディオ用スピーカーでは、形の違いこそあれ、明らかな音質の違いがある訳ではありません。

 

オーディオ用スピーカーでホームシアターを構築しても、その音が自分の好みに合うものなら、特に問題視する必要はないのです。

また、ホームシアター用スピーカーをオーディオ用スピーカーとして使用しても、なんら違和感を感じないなら別に構いませんしね。

 

ホームシアターシステムでCDを楽しんでも、その音が気に入ったとしたらそれで良いでしょう。

私は気に入りませんでしたが・・・。

メーカーが、ホームシアター用スピーカーとオーディオ用スピーカーを別々にラインナップしているのは、販売の戦略上のことだけに過ぎないのです。

 

もしあなたが、どっちを購入したら良いのか迷っているのなら、「映画」と「音楽」どちらを多く楽しんでいるのか、機会の多い方で決めるのも1つの手ではないでしょうか。

ちなみに私は、映画を観るより音楽を聴く機会が多いので、オーディオアンプを使い、小型ブックシェルフスピーカーとサブウーファーをつないで、両方を楽しんでいます。

 

 

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