『SANSUI SMC-300BT』真空管交換:分解をメーカーは推奨しないけど自分でもやれる!

出典:Thanh Tam Audio

 

少し前に、“PCオーディオ” と言う言葉が
流行った時代があったのですが、

取り扱いがパソコンっぽくて、
馴染みにくい感じがありましたね。

 

今では、一般に
オーディオコンポにデジタルが浸透して、

ハイレゾも身近な存在になり、
PCオーディオも一段落したようです。

 

一方でデジタルとは真逆のブームが起こり、
今までのサウンドに飽き足らないファンが、
かつての真空管に興味を抱くようになりました。

これが意外にも初心者に受け、
手の届きやすい価格のモデルが
続々と登場しています。

 

「サンスイ」ブランドを展開するドウシシャも、
真空管を使った独特なデジアナミニコンポを販売、
レトロな外観の「SMC-300BT」が人気です。

 

ただ真空管はトランジスタと比べ寿命が短く、
切れてしまうと、そこで
音が鳴らなくなってしまうのが欠点。

SMC-300BTの場合も切れてしまったら、
自分で交換はできるのでしょうか?

 

オーディオ歴の浅い
真空管ファンのあなたのため、
調べてみることにしました。




 

CONTENTS

メーカーはユーザーの真空管の交換を推奨していない

 

 

まずSMC-300BTの取扱説明書を見ると、
上のイラストの通り1ヶ所だけ、
真空管に関する記述がありました。

 

これを見ると、

「本機は真空管を使用しているため、
電源投入直後すぐには使用できない」

「煩雑な電源の入切、
電源コードの抜き差しはしない」

「改造などで真空管を交換しない」

と書かれています。

 

どうやら、内蔵の真空管は自分で交換をせず、
メーカーに任せなさいと言う事のようです。

 

しかし、頻繁に電球のように切れるのなら、
そのたびメーカーに交換を依頼するのは、
大変なのではないかと思いますよね?

実際、真空管と言うのは、
寿命はどれほどなんでしょうか。

 

色々と調べてみたら、おおよそ
5.000時間ほど持つことが判明しました。

 

と言う事は、
1日平均2時間使うとして計算すると、
7年足らず使えることになります。

仮にSMC-300BTを10年間使うとしたら、
1度は交換しないといけない訳ですね。

 

これが長いか短いか、ユーザーの考えで違いますが、
もし自分で乾電池のように交換できるとしたら、
チャレンジしてみたいと思う人も出て来るでしょう。

 

本機で使用している真空管は、
一般のギターアンプに使っている「12AX7」で、
これは普通に楽器店で手に入る製品です。

 

これで第一関門は通過できましたが、
肝心なのは交換方法ですよね。

私も真空管にはあまり詳しくないので、
あれこれネットで探してみました。

 

そこで、次の項で一般的な
オーディオアンプの真空管を交換する時の
注意点を述べてみようと思います。

真空管の交換は自分でできても、あくまで自己責任で行うこと

 

 

オーディオアンプの真空管は、
自分の手で交換することは可能です。

 

ただし注意点は多く、
交換に失敗して機器に不具合が発生しても、
メーカーの保証は受けられません。

あくまで自己責任の下で行うことを認識した上で、
作業する必要があります。

 

アンプがどんな状態になったら真空管を交換するのか

通常通り正しく再生しているのに、スピーカーから
全く音がしなくなったら交換時期に当たります。

しかし音は鳴っても小さくなったとか、
いつもより音が歪んで、何となく
音質が低下したと感じた場合も要注意です。

 

また再生中にガサガサ音がするなど、
ノイズが発生するようになった時も、
交換すべき時期が来たと思って良いでしょう。

 

オーディオアンプ真空管交換の基本

真空管を交換する際、絶対忘れてならないのが、
作業前にアンプの電源ケーブルを抜いておくことです。

これは思わぬ感電を防ぐためです。

オーディオアンプは家電品として、
多くの電力量を消費しますから、
感電した時の強さは並大抵ではありません。

 

それから、
アンプの使用直後のように内部が熱いうちは、
当然真空管も熱を持っています。

ヤケドをする危険もあるし、
真空管が膨張して
ソケットから抜きにくくもなっています。

完全にアンプが冷えたことを確認した上で、
作業に入りましょう。

 

また作業する場合、
真空管に直接手で触れてはいけません。

必ず、絶縁性のある手袋を使う必要があります。

真空管を抜く時は一度に引っ張り上げるのではなく、
管を揺すりながらゆっくりと、
片手で真っすぐに抜くことが大切です。

 

次に新しい管を入れる際もゆっくり行い、
管のピンをソケットの受け口がきちんと合うように、
気を付けて挿すこと。

無造作に入れようとするとピンが折れたり、
受け口が破損する可能性があります。

以上を十分納得の上、
交換を行うようにして下さいね。

 

いかがでしょうか?

電気機器のメカにはまるで疎いと言う方は、
どうにもならないかも知れません。

 

しかし、トラジスタラジオキットが
組めるくらいの方なら、
D.I.Y.可能なのではないでしょうか。

 

交換する真空管は冒頭で述べたように、
「12AX7」と言う品番のもので、
ギターアンプにも良く使われるものです。

この真空管は楽器店のほか、
Amazonでも手に入れることができます。

 

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ただし、決して私は、D.I.Y.で交換を
おすすめしようとする訳ではありません。

交換しようと思っているあなたは、仮に、
不具合が生じても怒らないで下さいね。

 

プリアンプに真空管を使った新製品が登場した

 

以上、人気のSMC-300BTの真空管の
D.I.Y交換に触れてみました。

真空管の柔らかく
温かい音質が好きなあなたには、
興味を持てたでしょうか?

 

ところである情報によれば、近いうちに
SMC-300BTの生産が終了するとのことです。

人気のモデルなのにこれが本当なら、
とても惜しい気がしますね。

 

そのさなか、
このうわさを裏付けるように、サンスイは
新しくSMC-500BTの発売を発表しました。

 

SMC-300BTは出力が30W+30Wですが、
SMC-500BTは75W+75Wと、
かなりのハイパワーになっています。

 

ただ、倍以上のスペックから想像すると、
SMC-300BTの代替機なのではなく、
上級機になる可能性もあると思います。

販売価格も、グッと
高くなっていますしね。

 

デザインはレトロなSMC-300BTと違い、
現代的な直線を生かしたものです。

新型機が気になるあなたなら、
SMC-500BTの方もみても良いでしょう。

 

でも性能云々より、まずは
レトロなデザインが好きと言うのなら、
SMC-300BTにこだわるのもアリです。

 

どちらにしても、他社では手に入らない、
真空管ハイブリッドアンプ搭載
CDステレオシステムであるのは同じです。

 

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出典:Thanh Tam Audio

 

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