無線でスマホやパソコン、レコードプレーヤーの音楽再生に便利なのがBluetoothスピーカー。
簡単に接続できることで、大変人気になっています。
小型でも迫力ある重低音再生が可能なのがウリですが、必ずしもHi-Fiな音と言える訳ではなく、1台での使用だと左右の広がりが不足するのがデメリットですね。
そのデメリットをカバーできる、一体型ステレオBluetoothスピーカーが、今話題になっています。
それが、東芝エルイートレーディングが発売する「AUREX AX-XSS100」。
メーカー自ら一体型オーディオシステムではなく、あえてワイヤレススピーカーシステムと呼ぶのは、どんな意味があるのでしょうか?
今回はこのAX-XSS100に注目し、ユーザーレビューも交えて、本機の魅力を探ってみましょう。
AX-XSS100の特徴・機能

まずはメーカー提供の、AX-XSS100プロモーション動画をご覧いただきましょう。
これでおおまかに、本機のイメージ全体を掴むことができます。
では、目立つ特徴を整理しましょう。
「CD/FMワイヤレススピーカーシステム」と銘打たれ、本体に CDドライブ(CD/CD-R/CD-RW 再生対応)を搭載。
Bluetooth Ver. 5.3準拠、USBメモリー再生(MP3/FLAC/WAV対応)やAUX入力、FMラジオ受信、ヘッドホン出力端子も備えます。
最大出力は、(JEITA規格)ウーファー15W+15W/ツイーター10W+10Wと言うセパレートアンプ仕様です。
Bluetoothは音源を入力するだけでなく、スマホ等の音源を本機側でアップコンバートする、独自のDSP「AUREX Sound Processor」を搭載。
圧縮音源の高調波成分を補正・復元し、192kHz/24bit相当に近づける「HD Remaster」機能などが組み込まれています。
いわゆる、なんちゃってハイレゾサウンドが楽しめるわけですね。

スピーカーも2ウェイ構成:20mmチタンドームツイーター、64mmカーボンコーンウーファーを搭載しています。
これらの特徴から、「気軽に設置したいけど音質にはこだわりたい」ユーザーのニーズを狙ったモデルと言えます。
設計・本体・素材に付いて

次に本体・構造的な設計面に目を向けてみましょう。
ボディは木材(MDF)を使った、バスレフ型エンクロージャーを採用して、音響特性を意識した素材・構造を選んでいます。

そして「Corner Cutting Enclosure(4つのコーナー部をカットした構造)」を導入し、直方体エッジの回折(ディフラクション)による音の乱れを軽減する設計。
スピーカーの配置も、ぎりぎりまで隅に追い込んだデザインです。

操作部にはジョグダイヤル+液晶パネルを採用。
リモコン操作前提ながら、外観・操作系を簡潔にまとめています。
サイズは、幅400mmx高さ132mmx奥行239.5mm(突起物含まず)で、質量は約4.5kg。
設置には、フルサイズアンプ程度のスペースがあると安心ですね。
このように見ると、外観・構造とも “オーディオ機器らしい設計” を随所に盛り込んでおり、昨今の “なんでもスピーカー化” モデルとは一線を画しています。
AX-XSS100のユーザーレビュー
ここではすでにAX-XSS100を愛用している、ユーザーの皆さんの感想を聞いてみたいと思います。
いくつかレビューを集めましたのでご覧下さい。
★「ひととおりのソースを聴いてみたが、とても高音質だ。リモコンにBASSを増強するボタンも付いているが、BASSボタンを使わなくても重低音が豊かに響く。中高音もクリアに聴こえる。
★「3~4万円の機器としては、音は良いと思う。Bluetooth接続のYoutube Music等の無料アプリの音も不満はない。ただ、Bluetoothで、LDAC等に対応しているともっとよかったとも思う。また、ボリュームがもう少し、細かく調整できるとよいなとも思った。ボリュームが2つ上がると結構音が大きくなったように感じる。」
★「Bluetooth接続したメリット・注意点:◯ 持っているタブレット・パソコン・スマホ、いずれからでも一段良い音で音楽を聞ける。所有するipad ・ノートパソコン・iphone の音より格段にいい音。X 接続する・切断するとき、大きめの電子音に驚く。自分が持つBluetooth機器もどれも接続・切断時、固有の電子音はするけど・・・。」
★「コストパフォーマンス抜群だ。特にボーカルが鮮明に聴こえ臨場感がバッチリ。さすがにオーケストラはチョット厳しいと感じるが。」
引用元:価格:com Amazon
まとめ

AX-XSS100は手軽に設置できる一体型でありながら、素材・構造・DSP・ユニット構成にこだわっており、音の質は「ちゃんとオーディオ機器」と言えるレベルにあると思います。
特に、ボーカル/生演奏系の音楽を聴く際の没入感や解像感に優れていますね。
ただ、低域量を重視する用途(ダンス/クラブ系巨大低音再生や、大音量ハードロック用途)では、やや力不足を感じる傾向を感じます。
また、設置場所・部屋の反響次第で “もう少し広がりが欲しい” と感じる場面もあるでしょう。
これらを踏まえ、本機購入に向いている人と言えば、ワイヤレススピーカーから、もう一段階「ちゃんと音を鳴らす」システムにステップアップしたい方です。
CDやUSBメモリーなど、物理メディア・ハイレゾも視野に入れつつ、設置場所・配線をあまり増やしたくない方も当てはまると思います。
ボーカル・アコースティック・ジャズ・ポップスなど、”雰囲気を楽しむ音楽” を自宅でじっくり聴きたい方も同様ですね。
さらにあまりオーディオ機器に詳しくなく、予算もできるだけ抑えて、「良い音で音楽を楽しみたい」と思っている人にもおすすめできるでしょう。
この手のモデルとしてはVictor EX-D6が非常に人気で、さらにワンランク上の高音質を楽しめますが、しかし本機と比べて価格がかなりアップします。
コストパフォーマンスを重視すれば、AX-XSS100も十分選択に値すると私は考えます。
東芝には過去に、同じAUREXブランドでTY-AH1000と言うモデルがありました。
このモデルも2ウェイスピーカーを搭載したりと評判でしたが、比較すると、本機の方が明らかにオーディオ機器的な音です。

本機が高音/低音セパレートアンプを採用しDSPも搭載して、優れた音質を目指したことだけでも評価すべきです。
それに加え、ボディをプラスチックではなく重量感のある木製にして、また効果的な長いバスレフチューブを使い、オーディオスピーカー的に仕上げたこと。
それが単なるオーディオシステムではなく、あえてワイヤレススピーカーシステムと呼ぶゆえんだと思います。
限られた予算でも、できるだけオーディオらしいモデルが欲しいと言うユーザーには、一考の余地があるのではないでしょうか?
メーカーサイト ⇒ AUREX AX-XSS100
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