普及クラスのミニコンポでは珍しい真空管アンプと、
最新のデジタルアンプを組み合わせた
ハイブリッドアンプCDコンポを、あなたはご存知ですか。
アンプは音声信号を入力して切り替えをしたり、
ボリュームなどのコントロールをする「プリアンプ」と、
スピーカーを鳴らすだけのパワーを増幅する
「パワーアンプ(メインアンプとも言う)」に分かれます。
そのプリアンプに昔懐かしい真空管を使用し、
パワーアンプを最新のデジタル構成化した、
プリメインアンプを内臓したミニコンポです。
このようなアンプから出て来るサウンドと言うのは、
柔らかくて奥行きがありながらも、迫力の
ダイナミックさを合わせ持った音質になるんですね。
それが「サンスイ SMC-300BT」です。
今回は、この珍しい真空管ハイブリッドアンプ搭載
CDミニコンポをレビュー評価します。
サンスイ SMC-300BTが復活した
このコンポは、
そんな真空管を使ったアンプを内蔵していることの他に、
スピーカーにもこだわったところがあります。
それは、2ウェイバスレフ方式システムの
11cmウーファーに、手抄きの和紙を使用していること。
と言っても、和紙だけで構成されているだけなのではなく、
表面に和紙、裏側にパルプ材を貼り合わせているんですね。
こうすることにより繊維が絡み合い、
メリハリのある中音と豊かな低音再生が可能になりました。
機能も最新のコンポらしく、CDだけでなく
Bluetoothでスマホの音源を再生したり、
USB端子を搭載してMP3プレーヤーとつなぐことも可能。
FMチューナーだってワイドバンド仕様なので、
主要なAM放送がステレオの高音質で聴けちゃうんです。
そして全体のデザインは、
見事 “レトロなステレオ” と言ったもので、
高齢者の方には懐かしく
若い方には新鮮味を感じることでしょう。
ではここで、あるユーザーが作った動画で、
デザインと実際の音質を確かめてみて下さい。
協力 seas- lydさん
いかがですか。
部屋のインテリアとしても、十分
マッチすると思いませんか?
ところで、この魅力的なコンポ、
実は1度、生産が終了してしまっていたんです。
でも、根強いファンの声が上がって、
再び生産されることになりました。
メーカーとしては1ロット生産して、
それで終わりだったらしいのですが、
それを買えなかったユーザーの声に応えて
再登坂となったのです。
サンスイ SMC-300BTのユーザーレビュー
次に実際の音質と使い勝手を、すでに
愛用しているユーザーさんのレビューで検証し、
辛口評価してみたいと思います。
★「噂どおり、たいへん良い音なので驚いた。パワーに十分余裕が感じられ、特にプリの真空管の音質が光っている。一番の得意分野は女性ボーカルだろう。CDを30枚くらい取っ替え引っ替えしたが、クラシックやピアノ曲もついつい聴き入ってしまう。ロック分野に入ったところで、ここはトーンコントロールの出番である。バス/トレブル共に5段階で調整可能であり、またpops/jazz/classic/rockのモード切替えも可能。付属スピーカーは少しチープな感じで不安だったが、聴き入るうちに十分に使えるスピーカーだと確信した。」
★「見た目も音質もお値段以上かと。大満足だ。CDは若干カタカタ音が気になるが、自分はほとんどBluetoothかアナログレコードで使用しているので、この価格ならこんなもんかと割り切っている。」
★「本体上面のプラスチックやリモコンなど、安っぽさはある。液晶と真空管の色が暖色系で、本体正面からの見た目は上手くまとまっている。本体の操作は簡単で分かりやすいが、リモコンはボタンが小さめで配置も分かりにくい。BluetoothはNFC対応で簡単だが、Android6.0ではスマホの音量調整が効かず、Android8.0で問題なく調整可能だ。本体側の音量は変化量が大きくて、細かくできないのが残念。スピーカーケーブルを交換してスピーカーインシュレーターを追加すると、高音は自然な感じで低音も出るようになるし、中域の表現力が増す。全体的にアナログ的な暖かい音で、寝る前に聴くにはちょうど良い感じだ。」
★「結論からすると、真空管らしいアナログの良い音だ。SACDでも流行の24bitでもない、普通のCDをラジカセ並の性能であろうプレーヤーにセットするのだが、出て来る音は真空管の柔らかい癒やされる音だ。」
サンスイ SMC-300BTの評価
何と言いますか、私の意見からすれば、
とても勿体ない製品と言う印象です。
特徴的なアンプとスピーカーのおかげで、
普通に聴く限り、とても心地良いサウンドを奏でます。
レビューのように、グレードの高いスピーカーケーブルと交換し、
インシュレーターを下に敷くなどきちんとセッティングしてやれば、
立派なオーディオコンポと呼べるだけの音質で再生できるんですね。
高音はクリアで中音のボーカルは張り出してくるし、
低音にはダイナミックさを感じさせます。
デザインも秀逸だと思います。
にもかかわらず、販売価格にこだわったせいか、
全体的な作りが安っぽいのが残念でなりません。
見た目プラスチック感がアリアリだし、
CDトレーの開閉がぐらぐらして、スムーズさに欠けます。
もっと仕上げの高さにこだわって、高級感を演出すれば、
価格が2倍しても売れる商品になるのではないでしょうか。
出力は30W+30Wもあり、小型スピーカーながら
迫力はなかなかのものです。
内容を見るとマニアの目に留まるほどのものながら、
初心者クラスの価格設定にしたため、
チャチな仕上げになったことが惜しまれます。
性能は同じで良いので、高級オーディオのような仕上げと、
使用感を持つモデルを今後作ってくれたら嬉しいですね。
または
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